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妊娠16週に流産となってしまったのですが、産後休暇をとることはできますか?

はい、大丈夫です。流産・死産・妊娠中絶も出産の範囲に含まれます

出産は重大なことであり、母体の回復のための休養は出産した女性全員に欠かすことのできない必須のものです。
出産の範囲については「妊娠4カ月以上(85日以上)の分娩とし、生産のみならず死産も含」(基発1885号)み、「妊娠中絶を妊娠4カ月以降に行った場合には、労基法65条の適用になる」(婦発113号)とされており、妊娠4カ月以上であれば流産や死産、妊娠中絶をしても、産後休暇8週間を取得できます。
ただし、人工中絶の場合、産後休暇のみとなり、事前に入院を要した場合は病気欠勤として取り扱われることになります。
産前の無理な労働が妊娠中毒症や早産、流産などの原因になることは明らかであり、医療現場では流産・切迫流産が他産業と比べ多い現状があります。妊娠中の労働者の業務軽減や産前休暇の取得がしやすい職場になるよう改善をはかっていきましょう。


使用者は出産後6週間を経過した女性が希望すれば、どんな業務に就かせてもよい

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担当医師が支障がないと認めた業務に就かせる場合に限ります
母性保護、妊娠・出産に関する保護の一環として労基法65条に産前・産後休暇が定められています。

①使用者は、6週間(多胎妊娠の場合14週)以内に出産する予定の女性が休業を申請した場合においては、その者を就業させてはならない。
産前休暇は妊娠中毒症や早産などを防ぎ、母子ともに健康にすごすための制度です。看護職などの立ち仕事・夜間労働などでは切迫流産・早産が多いため、しっかり取得していきましょう。

②使用者は、産後8週間を経過しない女性を就業させてはならない。ただし、産後6週間を経過した女性が請求した場合において、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせる事は、差し支えない。
産後休暇は産前休暇と違い義務規定となっており、本人が希望しても就労させることはできませんが、医師が就労しても差し支えないと認めた業務については就労が可能です。とくに過重である看護労働においては、差し支えない業務かどうか医師としっかり相談する必要があります。


妊娠中に医師から通勤緩和の指示を受けたのですが自家用車での通勤でも対象になりますか?

健康な人でもストレスの大きい渋滞した道路での運転や、満員の電車やバスでの通勤は、つわりの悪化や流産・早産等につながる大きなリスクになるものです。
使用者は妊娠中の女性労働者から医師等からの指導を受けたと申し出があった場合、勤務時間の変更、勤務の軽減等、必要な措置を講じなければなりません(男女雇用機会均等法13条)。
必要な措置として通勤の緩和、休憩に関する措置、出産後の症状に関する措置の三つの事項について指針(労働省告示105号)が定められており、通勤の緩和については交通機関(電車、バス等の公共機関の他、自家用車も含まれる)の混雑による母体及び胎児への負担を軽減させる措置を講じなければならないと義務付けられています。
具体的に「通勤緩和が必要である」と指導がない場合でも女性労働者から申し出があった場合、使用者は担当する医師と連絡をとり、その判断を求める等適切な対応を図る必要があります。


労使の協議により、母子健診のための通院休暇を有給と定めることができる

女性が差別を受けずに家庭と仕事が両立できるよう、男女雇用機会均等法(均等法)が制定されており、妊産婦にあたっては母子の健康管理について健康診断等を受けられるようにしなければならないと定められています。(均等法12条)
この通院休暇について給与の支給を義務付ける条文はありませんが「女性労働者が通院休暇を取得しやすい様にするためにも、通院休暇中の賃金の有無については、契約ないし労使で話し合っておく事が望ましい。すでに有給の通院休暇制度を導入している企業は変更する必要はない」(基発695号)と労使協議等で支給を推進するべきとしています。
なお、無給の休暇としてあっても女性労働者が年次有給休暇(年休)を申請して有給にする事が可能です。逆に使用者側から年休を取得するよう義務付けることは、年休の取得を制限するものであり、認められません。
母性保護を広げるためにも通院休暇を有給にするよう労働組合としても取り組んでいきましょう。

受診すべき回数の目安

妊娠23週まで 4週間に1回
妊娠24週から35週まで 2週間に1回
妊娠36週から出産まで 1週間に1回
出産後1年以内 医師や助産師が指示する回数

 上記はあくまでも目安であり、医師や助産師がこれと事なる指示をしたときは、その指示された回数の確保が必要です。妊婦健診14回には国と自治体から補助があります。


母子健診のため早退を師長に話したところ「院内で受診して」と返事があった

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通院日、医療機関等は女性労働者の希望によります
職場での男女平等を確保し、女性が差別を受けずに家庭と仕事が両立できるように男女雇用機会均等法(均等法)が制定されています。労働者が性別により差別されることなく、また女性労働者にあっては母性を尊重されつつ充実した職業生活を営むことができるようにすることから妊産婦の保護を規定しています。
均等法12条には「事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、その雇用する女性労働者が母子健康法の規定による保健指導又は健康健診を受けるために必要な時間を確保することができるようにしなければならない」と定められています。全ての事業主に対して女性労働者が通院のために必要な時間の確保や勤務時間の軽減などの措置をとることを義務づけています。
この法律に基づいて就業規則等に通院休暇に関する規定を設けることが必要になりますが、その際通院日や通院先の医療機関を指定するなど、実質的に通院できなくなるような規定や規則を作ることはできません。(基発695号)

受診すべき回数の目安

妊娠23週まで 4週間に1回
妊娠24週から35週まで 2週間に1回
妊娠36週から出産まで 1週間に1回
出産後1年以内 医師や助産師が指示する回数

上記はあくまでも目安であり、医師や助産師がこれと事なる指示をしたときは、その指示された回数の確保が必要です。


夜勤から外して欲しいとお願いしたが産前休暇まで入ってほしいと断られました

妊産婦からの本人から請求があれば夜勤をさせることはできません。

 母性保護のためには労働の負担を軽減する必要があることから、男女雇用機会均等法制定と同時に、妊産婦本人が請求した場合、時間外・休日労働の禁止と合わせて「使用者は、妊産婦が請求した場合においては、深夜業をさせてはならない(労基法66条の3)」と深夜業の禁止が規定されました。
 にもかかわらず現状は日本医労連の看護職員労働実態調査では妊産婦の3~4割が夜勤を引き続き行い、3人に1人が切迫流産を経験している実態があり、労働条件改善と看護師増員は待ったなしの課題になってきています。


妊娠中の看護師さんは36協定があっても時間外労働をさせてはいけないんでしょうか?

そうです。

母性保護のためには労働の負担を軽減する必要があることから、男女雇用機会均等法制定と同時に、妊産婦本人が請求した場合、週40時間または1日8時間を超える時間外・休日労働と深夜業が禁止される規定が労働基準法(66条)に盛り込まれました。
また、労使で交わした36協定に関わらず、災害時であっても請求があれば妊産婦に時間外労働をさせることができません。(66条の2)
長時間労働は妊産婦に限らず労働者の健康に大きな影響をもたらすものです。母性保護での軽減と合わせて、職場全体で業務軽減を図っていきましょう。


妊娠中のため勤務を変えてもらうようお願いしたら、外来勤務になったのですが、問題ありませんか?

問題あります 実質的に業務軽減が図られていなければいけません

妊娠中は長時間の立ち仕事や座作業、重いものを持つ、高い所のものを上げ下げする作業は母体や胎児に負担をかけ、切迫流産などになりやすくなります。そのため使用者は妊娠中の女性が請求した場合、他の軽易な作業に転換させなければなりません(労基法65条)
最近では病棟勤務から外来に配置転換になったというケースをよく見聞きします。しかし、外来も平均在院日数の短縮で患者さんの入れ替わりが激しく、重症患者や外来での化学療法、手術への対応なども増えています。また、病棟の慢性的な人員不足から助勤も行われており、輪をかけて忙しくなってきています。慣れた勤務と違って配置転換による緊張や疲労度も高くなっています。
何をもって軽易な業務とするのか本人の希望や職場での協力体制を含めてみんなで話し合って要求にしていく事が必要です。


次の文章は正しいでしょうか?患者さんをベッドから車いすに移す作業を妊娠中の看護師が行っている

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使用者は労働者の申し出が無くても妊娠中の女性や産後1年を経過しない女性(妊産婦)を「重量物を取り扱う業務」や「有害ガスを発散する場所での業務」など妊娠・出産・哺育等に有害な業務に就かせることはできません(労基法64条3項)。
重量物を取り扱う業務を継続すると子宮下垂などが発生し、出産に障害が有るだけでなく健康を損なうことにつながります。したがってこれらの業務は妊娠・出産に関係なく生涯にわたって母性保護の対象なるものです。妊産婦以外の女性に関しても妊娠・出産に係る機能に有害な業務は厚生労働省令で同様に制限されています(同上の2)。
とても喜ばしいはずの妊娠・出産ですが、人員不足など職場環境によって「他のスタッフに迷惑をかけてしまう」と心配になる状況があります。増員して人員的にゆとりをたせ、人生の大きな節目に笑顔で送り出せるような労働環境を作っていきましょう。


生理休暇を取ったら、皆勤手当が支給されませんでした!

生理休暇取得を事実上抑制する制度は認められません

生理休暇取得を理由に皆勤手当をカットするなど不利益な取り扱いをすることは直ちに違反とはならなくとも、取得の抑制につながり好ましくありません。厚労省の通達でも「著しい不利益を課すことは法の趣旨に照らして好ましくない」とされています。賞与や一時金の算定に関わる出勤率の計算にあたって生理休暇取得日を欠勤とみなし、減額するような取り扱いについても考慮されることが望ましいとされています。
最高裁判決では「労働協約等に定めがない限り無給」であることを前提としたうえで、「生理休暇の取得を著しく困難とし、労働基準法が女子労働者の保護を目的として生理休暇について特に規定を設けた主旨を失わせると認められるもの」については違反としており、生理休暇取得を事実上抑制する効果を持つ場合(たとえば精勤手当が高額)については違法になります。
労使交渉によって生理休暇の有給化や手当の支給を労働協約等に定めるのが一番の解決方法であることは言うまでもありません。