定期昇給(定昇)とベースアップ(ベア)の関係は?

定期昇給(定昇)は、定期的(通常、年に1度)に給料を上げることで、職種、勤続年数などによって、定められた賃金表に沿って、原則自動的に賃金が上げられます。就業規則(賃金規定等)で規定されますが、「定期昇給を行う」と記載していれば、基準通りに上げることが使用者の義務となります。「定期昇給を行うことができる」とあれば、経営状況等によっては定昇幅が調整される可能性もあるので、規定を確認しておきましょう。
なお定期昇給では、各個人の給与は上昇しますが、経営全体としては、定年・高齢者の退職、新人の採用などで、職員構成(平均年齢など)が一定に保たれていれば、総額の賃金原資は増えません。ですから春闘は「賃金原資の増額」=ベースアップ(ベア)確保の闘いです。

定期昇給とベースアップの関係

例えばベア1000円として、1000人の職員の場合、一時金を含めて年間16ヶ月分だとしても、賃金原資は1600万円。3~4人程度の人件費相当分となります。1000円のベアでは社会保険料算定の「標準報酬月額」の等級はほとんど上がることはないと考えられるので、使用者負担分はほとんど増加しません。