「予防から治療に至る一貫体制」で、地域住民の健康維持・増進を目指す 鹿児島県厚生連病院

鹿児島県厚生連病院は、九州に2つある厚生連病院の一つ。労働組合としては農協連労組のため全厚労に加盟していませんが、西日本ブロックの中で交流しています。4月21日、ブロック会議が鹿児島で開催されたのを機会に病院視察をお願いしました。

  視察にはオブザーバー参加の全厚労四役を始め8名が参加。現地では、鹿児島県農協連労組の森園書記長、病院管理課の祁答院(けどういん)さん、情報システム課の中村さん(執行委の3名に対応していただきました。

斜め正面から見た病院外観

巡回検診活動から始まった県厚生連

  鹿児島県では、もともと1961年(昭和36年)より共済連で巡回検診が行われていましたが、1977年(昭和52年)に厚生連が設立され、巡回検診・人間ドックを中心とした健康管理センターがスタートしました。現在の病院は、1985年に天保山記念病院を取得し、診療事業を開始、2018年5月に現在の建物が建ち、健康管理センターと病院が一体化されました。

  病院は17診療科、病床数は184床(うち地域包括ケア病棟90床)で、職員は、医師40名、看護師約150名など非常勤含め400名以上が働いています。

入口と出口が違う超音波検査室

利用者のスムーズな流れを作る広さ

  建物の構造は、上から見て大きなV字型になっており、正面玄関から向かって右側に病院入り口、左側に健康管理センターの入り口があり、患者と、健診受診者の動線が完全に分けられた構造になっています。

  8階建てで、3F部分が独立して健康管理センターとなり、診療側は、1Fが受付、薬局など、2Fが外来診療室、処置室、4Fに手術室、リハビリ室など、5Fが医局・事務局など、6〜7階が45床の病棟がそれぞれ2つずつ、8Fが展望レストランと職員食堂に分かれています。

  3F健康管理センターのフロアは、男女別のドックと共通の健診コーナーに分かれています。超音波診断室は入り口と出口が別になっていて、検査が終わった方が残ったローションを拭き取ったり、身支度をする場所を確保して、待ち時間を少なくする工夫がなされていました。

4Fリハビリ庭園から見える桜島

桜島の見える眺望の良いフロア

  検査後に結果待ちで過ごすラウンジはフリードリンク制で自由にJAグループの飲み物を飲むことができ、休憩室にはマッサージチェアも導入され、自分のスマホで読める無料の雑誌アプリが提供されています。また8Fには、展望レストランと職員食堂があり、レストランは、健診受診者と患者家族等が交わらないようにパーテーションで区切られ、肉・魚と白米・玄米のセレクトメニューが用意されていました。ラウンジ含め、窓からは目の前に桜島を望むことができ、ゆったりとくつろげるスペースとなっています。

1FにあるJAコーナー

  1Fには「JAコーナー」と称した県特産品やオリジナルグッズ・情報等の展示があるのですが、患者の動線の外にあるので、見て下さる方が少ないとのこと。目の前にもスペースがあるので、何かイベント等を企画して、人が集うように工夫したいと話されていました。

  参加者からは「広いスペースと予防検診活動の力の入れ方に感銘した。そもそもの厚生連医療を実践されていると感じた」等の声がありました。今回またとない機会に快く対応して頂いた鹿児島県農協連労組の皆様方にこの場を借りて、お礼申し上げます。