3年超のコロナ禍を乗り越えて 新たな体制で運動を推進しよう

  9月1〜2日、全厚労は福岡市博多区のリファレンス駅東会議室にて、第71回定期大会を開催、今年は全体参加者の9割近くが現地会場へ集いました。代議員・傍聴者も増え、19県から役員・代議員・傍聴者ら129名(オンライン17 名を含む)が参加しました。

  大会は、中村悟中央副執行委員長の挨拶で開会、「3年以上、コロナ禍のたたかいが続いて、ようやく19年以前に戻りつつある。しかし現状はコロナも増えている中で政府の補償も減っている。来年の報酬改定に向け、一層団結して前進していく大会にしたい」としました。
  主催者挨拶で岩本一宏中央執行委員長は、「23春闘ではベア回答が2県。その他の県でも手当引き上げなどを獲得したが、もちろん納得できる結果ではない。医療・介護労働者の賃上げは、地域医療の存続に関わる課題。来春闘での統一と団結もさらに進めたい」と訴えました。

挨拶する岩本一宏執行委員長

  松尾晃書記長は、22年度「重点方針」の総括と、新たな23年度重点方針を説明。「24年の診療報酬改定では、秋闘段階での取り組みが決定的に重要。一人ひとりの組合員が声を上げる取り組みを進めたい。多くの声が集まれば変えられる。一緒に変える仲間づくりも進めよう」と呼びかけました。

ベア獲得まで妥結せず

  大会では、10県と5つの専門部から発言があり、その他文書発言も6県から出されました。
  ベア3,000円を獲得した広島では、事前協議では厳しい状況が感じられたものの、執行部では、「ベア実施しなければ、絶対に妥結しない」という姿勢で、団体交渉に臨んだところ、理事長から「建て替えや大型機器の更新や耐震化の経費が増加するが、評価料も活用しながら、今の物価高騰にはベアが必要と考える」との言葉が出て、従来にない早期妥結になったと報告がありました。また月1回の本部団交、支部団交を継続し、常に労使の中で組合要求や改善課題を共有させていることも教訓として語られました。
  神奈川からは、「民間では10数年で頭打ちの賃金体系が進んでいる。全厚労として賃金体系の議論や政策づくりを進めるべき」との意見・要望が出されました。

粘り強い運動で労働条件改善

  秋田では、2014年に実施した「職場のトラブル調査」から始まって、17年に「ハラスメント撲滅宣言、防止マニュアル、外部相談窓口の設置」等を要求し、各年度の交渉で少しずつ対策を進めさせ、23年4月から本所に「ハラスメント対策室」を設置させたと発言。
  神奈川では、この5〜6年間、労働相談活動を継続する中で、看護師が組合加入し、看護部の休日希望問題を前進させていることが報告されました。

あちこちで進む病院再編

  地域医療構想を巡っては、新潟、岐阜から発言。新潟では3つの2次医療圏が国の重点地域として、再編統合が進められており、県央地域にある三条総合病院は、燕労災との統合で、新たに建設された県央基幹病院が済生会に指定管理されることになっています。厚生連職員の意向は、17%が他厚生連病院へ、済生会へ63%、退職を選択するのが17%という結果で、済生会へ移っても賃金が頭打ちになるなど、労働者の将来設計が大きく変わってしまう実情が報告されました。

仲間づくりで要求実現へ

  高知では青年たちを中心に「仲間づくり」や組合員拡大を進めていることが報告されました。福島からは、専門部活動を通じて、職場改善や様々な企画への取り組み。看護部で「始業前時間外」をなくす運動、女性部では生理休暇・パパ育休取得の推進、青年部が中心となった平和の取り組み、全厚労と一緒になって取り組んだ原発視察や女性集会での被災地ツアーなどの多彩な運動への繋がりが報告されました。
  専門部からも、女性委員会での「健康管理(セルフケア)休暇」拡充の運動、青年委員会で基礎知識や経験から学んだストライキの学習、「厚生連病院の役割」を掘り下げていく医療研究集会(11月)、看護委員会での看護集会(10月)と独自のナースウェーブ(宣伝行動)の実施計画などが報告されました。

大会会場埋め尽くした代議員ら
役員席からの団結ガンバロー