ビキニデー集会&ピース学習会 なぜ基地の真ん中にお風呂を作ったのか?ー楽しみながら労働組合で平和活動

 2月29日から3月1日にかけて3・1ビキニデー集会が開催される中、全厚労は独自企画「ピース学習会」を30名(現地27名・オンライン3名)の参加で行いました。
 米国が太平洋マーシャル諸島ビキニ環礁で行った水爆実験から被災70年となる集会は、静岡市会場とオンライン会場に全国から1500人以上が参加しました。

生活・商売は平和でこそ成り立つ

 29日の全体集会・主催者あいさつでは、全国商工団体連合会の太田義郎会長が「平和でこそ商売繫盛」と訴え、3・1ビキニ事件の放射能汚染よって当時日本人の貴重なたんぱく源であった魚が「原爆マグロ」となり、多くの漁船、魚屋、すし屋等が成り立たなくなった経緯を紹介。打撃を受けた漁業組合と主婦層から始まった原水爆の禁止署名運動は大きな広がりを見せ、世界を動かす力となり国連での「核兵器禁止条約」へと繋がったと話されました。
 条約への署名・批准を行わない日本政府に対し、運動の原点であり唯一の戦争被爆国がこの条約へ署名しなくていいのか、と訴えました。
 日本原水協の安井正和事務局長は、日本の核兵器禁止条約への参加を、草の根から築くための署名行動や原爆写真パネル展示を行う「非核日本キャンペーン」を全国で広げようと呼び掛けました。

オンライン参加者も交えたピース学習会

労働組合と平和について考える
 全体会終了後は、全厚労独自でハイブリットでの「ピース学習会」を開催。
 愛厚労・藤原佑樹担当中執より「私たち平和委員は、『医療と平和』『労働組合と平和』を紐づけ、理解を深めたいという想いで今回の学習会を企画しました。積極的に活動されている事例を聞いて、自分たちの考え方や活動の参考にしたいと思っています」と挨拶。学習会はビキニ事件の概要を紹介した「ビキニデーってなに?」のミニ学習を行ったのち、日本医労連中央副執行委員長(道東勤医協労働組合)の吉田岳彦さんより、北海道にある日本最大の陸上自衛隊矢臼別(やうすべつ)演習場の地元地域での平和運動について「なぜ、私たちは陸上自衛隊演習場のど真ん中に風呂を作ったのか〝労働組合〞としての平和活動について考える」と題した講演をして頂きました。

魅力いっぱいの企画を語る吉田さん

楽しむことが参加のきっかけに
 矢臼別演習場は広大で使い勝手の良い演習地として米軍による実弾射撃、積雪寒冷地訓練など年々実践的で内容も拡大しています。演習場を作るにあたっては、酪農家84 戸が買収工作で離農しましたが、2戸(杉野さん、川瀬さん)のみ断固拒否し残りました。

 「矢臼別平和委員会」(酪農家、地域住民で構成)は、「自分たちで木を倒し、根を掘り起こし開墾した土地。酪農郷を軍靴で汚すな」と活動を続け、今も演習場内に「川瀬牧場」が現存します。
 道東勤医労平和部では「安心して住み続けられる地域を守りたい」という気持ちが、医療・介護の労働運動とも共通し、人権を守ることにも繋がるとして積極的に参加しています。

 取り組みは、道外からも参加が多い矢臼別平和盆踊り大会、広大な北海道を平和をアピールしながらまわる反核平和自転車リレー、亡き川瀬さんの夢「ここに温泉掘ったら、みんなくるんでないか?」の言葉から「矢臼別おふろプロジェクト」もスタートしました。

 おふろプロジェクトには井戸掘りから始まり、普段は組合活動にあまり参加しない組合員も興味を持ち協力するなど楽しそうな活動から組合参加につながり、おふろ&宿泊施設の完成にまで至りました。
 吉田さんは労働組合で平和活動に取り組むことについて、防衛費の倍増により医療・介護・社会保障が削減されるなかで賃上げ・増員の要求に直結していること、楽しく交流できる平和運動の企画が多様な考えを持つ仲間を引き寄せる魅力があり、青年層の参加が増え組合の後継者対策にもつながっていることを話されました。

 

平和だからこそ輝く日本
 茨厚労・安本真理子書記次長からは、2013年の秘密保護法の強行採決や自衛隊の集団的自衛権の行使を認める閣議決定に、茨厚労で日常的な活動が必要と発足した平和委員会の取り組みを話していただきました。
 茨厚労平和委員会では地域の「憲法フェスティバル」で憲法や平和について対話できるきっかけになればと、手づくりの缶バッチ、ビーズ小物、脱原発ステッカーなど平和グッズを販売。来場者と「平和じゃないと医療も守られませんよね」と対話しながら、医師・看護師の増員署名も集めたそうです。またコロナ禍で個人や少人数で参加でき、地元の戦争の歴史にも目を向けるきっかけになればと、平和ツアー「PEACEスタンプラリー」に取り組むなど、工夫した内容を紹介されました。
 翌日、参加者は「原水爆の犠牲者は、わたしを最後にしてほしい」と残して亡くなられた第五福竜丸・無線長の久保山愛吉さんの墓参行進と、3・1ビキニデー集会に参加しました。

新フラッグを持って行進参加

 

故・久保山さんの好きな薔薇を献花する参加者

新フラッグ完成!! ピースウェーブに取り組もう♪
 今年のピースフラッグは「まもろういのち」、「必要な予算を社会保障に」のスローガン。8月の原水爆禁止世界大会へ向けて各地で始まる国民平和大行進への参加と、全厚労で4月~6月にかけて行う『ピースウェーブ』で、この新フラッグを使った記念撮影や行進、折り鶴の作成、署名に取り組みましょう。

24ピースフラッグ