第36回看護集会には、独立行政法人労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所の松元俊さんにお越しいただき、「看護師が安全に健康に働き続けるために必要な 不規則勤務スケジュール見直しの提案〜知っておきたい夜勤・交代勤務のあれこれ〜」と題しご講演頂きました。
松元俊さん
講演では不規則勤務や夜勤、長時間労働、睡眠不足などが身体や生活に与える影響について、多くの研究結果を基にグラフやデータを示しながら解説。現場での2交代勤務への提案や、休憩の取り方など参加者からの質問にも丁寧に助言してもらいました。
図1
図2
図1は、夜勤を10日継続しても、体温が低いところが夜中にあり続けるということを示したものです。過去に「身体を夜勤に適応させれば問題ない」との視点から、1カ月ほど夜勤を連続させる働き方が米国でみられました。しかし、この研究で夜に働いている生活でも体温は上がりきらないということから、徐々に適応はしていくが完全に適応は難しいことが分かり、リズムを適用させることとは別の対策が必要と指摘されました。図2は過去に流行語になった「睡眠負債」についてのもので、1週間睡眠負債が続くと8時間睡眠に戻したとしても、すぐには8時間睡眠を取っていた時のパフォーマンスに戻らないことを示しています。(文責・編集部
参加者の声
第36回看護集会の参加者にインタビューをお願いしました。
A「参加したきっかけ」
B「参加しての感想」
鈴木 由美子さん(福厚労白河支部中央執行委員・看護師)
「看護師増やそう」タオルをもって(写真右)
A 昨年も看護集会に参加し、もう一度参加したいという思いで、今年も横浜へ来ました。
B 1日目、松元先生の講演では、夜勤の睡眠の質など働く条件などが、私の中でとても考えさせられました。
ナースウェーブでは、人混みの多い横浜駅前での署名活動でしたが、幅広い年齢層の人達に医療現場の声を届けられたのではないかと思います。心に響く人、響かない人はいたと思います。署名にサインしてくださる方は、比較的高齢者や医療に興味を持ってくださる方だったように感じます。この小さな積み重ねが、いつか結果につながると確信しています。2日目のグループワークは働く人の減少に対し、患者の増加問題についての対策や意見を話し合えるよい機会となりました。2日間、全国各地の厚生連の方との交流は、新鮮で働く意欲やパワーに繋がりました。是非、今後も看護集会を開催してほしいと思います。
西尾 孝一さん(長厚労あずみ支部・長厚労中央執行委員・看護師)
グループワーク発表にて
A 当院は現在、看護師が不足しており、スタッフから諸手当や労働環境に対する不満も多く聞かれます。今回、組合執行委員としてだけでなく、管理職の一端を担う立場としても全国の看護師の実情を学びたいと考え参加しました。
B 特別講演では、看護師の不規則な労働時間が心身に与える影響や、労働環境の改善のヒントを具体的なデータをもとに学ぶことができました。横浜駅前での署名活動では、「いつもお世話になっています。ありがとう、大変なお仕事だけど頑張ってね」と多くの方から励ましの言葉をいただき、とても嬉しく感じました。グループワークでは全国の看護の仲間と語りあい、有意義な時間を過ごしました。集会前後に少し横浜観光も楽しむことができ全体を通して、明日からの仕事と組合活動に向け、多くの活力を得ることができました。
安藤 綾花さん(三厚労鈴鹿中央支部看護委員・看護師)
夕食交流会での三厚労の皆さん(写真最右)
A 同じ職場の主任さんから誘っていただき、他の病院の現状や取り組みはどのようなものなのか知りたかったため、今回参加させていただきました。
B ナースウェーブでは、実際にご署名いただいた際に「いつもありがとうございます。以前入院した時に看護師さんにとてもよくしていただいたので署名させていただきます」と言っていただきました。初めは横浜の皆様に看護師の人員不足や人員数増加の必要性を知っていただくことを目的としていましたが、署名活動を行なっているうちにやりがいや嬉しさを感じました。また、2日目のグループワークでは、どこの病院も人員不足が問題となっており、病院に応じた対策はとられていましたが、人員の増員が不可欠であることも明らかであったので、今後もナースウェーブ等の活動で周知していくことが大切だと実感しました。
矢山 由起子さん
(広厚労尾道支部執行委員・保健師)
広厚労で集合写真(前列右から2番目)
A 今回の看護集会の参加のきっかけは、ナースウェーブ(街頭署名)に参加したい気持ちと、全国の仲間の情報を久しぶりに聞きたいと思ったからです。
B 街頭での署名活動では、たくさんの人が足早に通り過ぎて行く中、数名、こちらへ近寄ってきていただいて、「娘が看護師なんです」「私、看護学生です」「私は介護認定うけてるからね」とお話しされ、「大変ですよね、頑張って下さい!」と、とっても励まされるお声をかけてもらいました。複数人、足を止めてくださった方には、すぐに周りの署名板を持っている仲間に声をかけ、短い時間でもタイムロスのないよう、同時に書いてもらう連携プレイで、一筆でも多く集められたかな、と思いました。
私は、核兵器なくそうの署名をニューヨークで行った事があるのですが、言葉がうまく出てこなくて(英語が苦手 )強張った顔でしかできず、悔しい思いをしました。今回は日本語!笑顔を忘れずに声をかけ、その効果か思っていたよりたくさんの署名をいただけて力になりました!
署名後に「衆院選が近々ありますので、国民の権利行使しましょうね!」の一言も忘れずに…。