11月15〜17日にかけ全厚労第41回医療研究集会を開催し、13県79名(内OL8名)が参加しました。今年のサブテーマは「誰のための厚生連医療なのか」です。地域との関係の中で育まれてきた厚生連医療を担う私たちがもう一度その意味を再確認しようと設定しました。
第8次医療計画を学ぶ
厚生連の未来を語ろう
佛教大学准教授・長友薫輝先生
1日目はオンライン併用開催。佛教大学准教授の長友薫輝先生をお 呼びし、「今、地域医療に必要なこと〜第8次医療計画から考える人口減少と医療格差〜」と題しご講演頂きました。1980年代の「医療費亡国論」から続く国の公的医療費の抑制手法や、診療報酬・介護報酬の動向、第8次医療計画や地域医療構想、それに伴いそこで働く労働者への影響などを解説頂きました。長友先生の講演で印象に残ったフレーズは「撤退戦」。農村地域・へき地医療を担う厚生連の使命と重要性を強く感じさせられました。
湯瀬直樹事務局長の基調報告では、今集会のサブテーマ「誰のための厚生連医療なのか」について、厚生連の病院は地域に根差し地域との交流を大切にしながら医療や介護を提供してきましたが、近年、現場の状況も変化し本来の厚生連医療を提供することが難しくなってきている、もう一度その意味を考える必要があるのではないかという議論から設定したと本集会の意義を強調しました。私たちが医療・介護・福祉の現場で働くプロであると同時に、社会の一員であることを自覚しながら、「誰のために」働き、行動しているのか。そのために「何をしなければならないのか」。私たちが力を合わせるために、そもそも「何が必要なのか」に充分な答えは出ないまでも、皆さんとこの集会で論じ合い、これからの厚生連の未来を語らい、その意義を共有していきたいと呼びかけました。
2日目は現地開催でスタート。安本真理子運営委員長が、医療研究集会の紹介と共に、医療研運動の意義と課題、これまでの歩みを紹介しました。
岐阜の医療再編と
徳島合併時の教訓から学ぶ
特別報告は2本。1本目は岐厚労の佐藤雅俊中央執行委員長より、岐阜県厚生連での医療再編について、岐阜県内5つの二次医療圏での医療資源の偏在や厚生連の状況、再編による地域住民の声や職員の課題を組合の立場からご報告頂きました。
2本目は徳厚労の天野智行副執行委員長より、「病院合併の経験〜吸収合併される側の立場から〜」と題し、旧阿南共栄病院と旧阿南医師会中央病院の合併時の経験から、当時の職員の声や、組合解散と徳厚労加入時の教訓などを報告して頂きました。
じっくりしっかり語り合う
4分科会それぞれの特徴
2日目後半と3日目は4分科会を開催。第1分科会のテーマは医療労働者と地域とのかかわり〜視野を広げて地域を見よう〜。長友先生に助言者として参加いただきました。地域医療を守る住民運動の報告や、地域医療構想・第8次医療計画の学習、医療ソーシャルワーカーから見た地域の医療・介護などについてグループワークを行いました。
第2分科会テーマは安心・安全の医療は使命感だけでは守れない!やっぱり大切にしたい『働きがい』〜厚生連医療の未来のためにバトンをつなぐ〜。3つのレポートとして、茨厚労西南支部リハビリテーション部「みんなで一緒に4000歩! in境町 西南ウォーク」の取組み、三厚労鈴鹿厚生支部コロナ禍を越えて再開した「夏フェス・スポレク」に取組んで、岐厚労西美濃支部公式LINEを活用した福利厚生の取組みを報告。参加者交流企画としての「社会技能訓練」をやってみよう!や、静厚労のリレーフォーライフ現地からの中継レポートも行いました。
第3分科会テーマは病院を地域に開く〜取り戻そうコミュニケーション〜。熊総労の新歓交流会と神厚労の退勤調査の取組200人アンケートの特別報告や、コミュニケーションについての事前アンケート報告から川柳作成を行いました。また第3分科会恒例の紙人形劇の練習を行いまとめ集会で発表しました。
第4分科会テーマは厚生連病院の果たすべき役割〜仕事の悩みとストレスをお持ちください〜。初日は浅草寺フィールドワーク、2日目は仕事の悩みとストレスについてディスカッションを行い、茨厚労土浦支部の予防医療センターで行われている我(われ)がまま教室(集団教室)の取り組みと、長厚労佐久支部・下伊那支部から長野厚生
連のうたごえ活動や「第38回医療のうたごえ全国祭典inながの」の取り組みについて2本のレポートを報告。「厚生連の成り立ち」についてディスカッションをして初日の思い出フォトコンテスト
を行いました。
コロナ禍以前の様に3日間全てを現地参加できる形式での開催とした今集会では、参加者の交流を通し、各分科会で活発に議論し、真剣に各県の状況を伝え合い質問し合う場面が多くみられました。