私らしい働き方、生き方を目指して! 第30回幹部・看護師集会 in 鳥羽

 10月7~8日、全厚労は三重県鳥羽市の鳥羽シーサイドホテルにて「第30回幹部・看護師集会」を開催し、16県142名が集まりました。今集会のテーマである、「私らしく働き、私らしく生きるために!」、自分の意見や思いを出し合って交流しました。

患者に寄り添った本来の看護を取り戻そう!
 今の看護現場は、医療の高度化、患者の重度化などの中で、医療安全を最優先に機械化・電子化管理やマニュアル重視の状況になっています。本来、「ベッドサイドケアの充実」「患者に寄り添った質の高い看護」を目指して7対1看護が導入されたはずなのに、むしろ事務仕事が増えて患者の側にいけなくなっています。
 仕事が増える一方で休み希望も通らず、ゆとりをなくしていく生活。ワークライフバランスの名の下に色んな勤務形態の提案や議論がされるけれども、根本的な「人手不足」の解消がない中で、どこかにしわ寄せがいってしまうのが現実。医師不足や在宅推進のために「特定行為」が進められ、医者の肩代わりをして、患者のお世話は看護助手や介護職へシフトしていく。集会では、「療養上の世話」による日常生活への援助を通して患者の持つ自然治癒力を高めることが「本来の看護」だと訴え続けておられる川嶋みどり先生の記念講演を受けた後、秋田・新潟での取り組みを報告してもらいました。
 その後は年代別に振り分けた分散会と初心者分科会に分かれ、少人数でのグループワークを中心に分散会毎にそれぞれ工夫を凝らしたテーマ設定や「ファシリテーション」の技術を取り入れた運営で、参加者の生の意見を引き出す工夫がなされました。

現場からの改革とともに、上からの改革も目指して
 集会のまとめに立った岩本一宏担当四役は、「幹部・看護師集会を開催し始めて約30年、働く看護師は増えているが依然『人手不足』の状況は変わっていない。自分らしく働きたい、生きたいという声を職場でも地域でも行って欲しい」と訴えました。
 看護現場を変えるためには、現場の声を現場だけでなく社会へと広げていくことが必要です。日本医労連はこの秋、深刻な看護現場の状況を世間に伝えるために「看護・介護黒書」の取り組みを進めています。全厚労は集会でも声を集め、第一次分として提出しました。また新しい「夜勤改善・増員署名」は、与野党が賛同可能な請願項目に改められて取り組みを進めています。