11月14〜15日に静岡県熱海市・ハートピア熱海にて、第42回医療研究集会を開催、12県67名が参加しました。今年のサブテーマは「厚生連医療の視点で考える医療の正義とは」。看護の倫理原則の一つ「公正と正義」からヒントを経て設定しました。様々な環境の中でどのような医療が必要かという結論よりも、議論に重きを置いたテーマとなり、4つの分科会で活発な議論が行われました。

地域を動かし国を動かそう

初日の主催者挨拶で岩本一宏執行委員長は、「全厚労が国会要請を続けている中で、今後医療・介護については国も積極的に財政を支出していくことを約束してもらった。我々労働組合としては地域医療を守るために、地域を動かし、そして国を動かしていくことをこの2日間で共に学んでいきたい」と集会での活発な議論をお願いしました。

基調報告では岡野元保事務局長より、昭和58年の集会からの全厚労医療研運動の歴史や、厚生連事業の役割や特徴、協同組合医療運動の成り立ち、集会テーマの説明、医療情勢を報告しました。

学習講演は、湯瀬直樹前事務局長(秋厚労鹿角支部)と奥井明子事務局次長(秋厚労本部)による、「秋田県『鹿角の医療と福祉を考える市民町民の会(以下:住民の会)』住民運動20年の歩み」が話されました。
鹿角の住民の会は今年で20年の節目を迎えます。2006年の鹿角組合総合病院の精神科撤退で、精神科の空白地域となったことを機に住民集会を開催し、そのメンバーで住民の会を設立。その後、常勤赴任として医師2人を確保するまで、地元住民団体と市町村、厚生連病院の連盟で「精神科医師を求めるチラシ」を配布するなどの、運動の歴史を報告しました。その他にも、住民運動が起こったきっかけや、再びの非常勤化、小児科・脳外科病棟の閉鎖などの課題に立ち向かう住民の会の取り組みを報告頂きました。
個性あふれる4つの分科会
全厚労医療研究集会の醍醐味はテーマ別分科会!深い議論と知識の共有を経て、現場に持ち帰り実践し、その経験を次の集会にレポート報告や討論の形で持ち寄り、課題解決や運動推進に繋げていくことです。今年も4つの分科会に分かれ、レポート報告が持ち寄られました。

第1分科会のテーマは、「医療労働者と地域とのかかわり〜地域にとって公正な医療〜」。地方の医師不足や、病床削減、地域・診療科ごとの医師の偏りなどについて情勢を学びながら参加者の所属する病院の状況や課題を共有しました。秋田・鹿角の医療と福祉を考える市民町民の会が実施した「度重なる医療縮小が住民生活に及ぼす影響に関する調査」のレポート報告や、2040年に向けた新地域医療構想についての学習や議論も行いました。


第2分科会のテーマは、「安心・安全の医療は使命感だけでは守れない!やっぱり大切にしたい『働きがい』〜届け思いやり、厚生連医療に恋する働き方♡〜」。レポート報告は「三重・南島メディカルセンター病院祭開催報告」と「徳島・厚生連医療に恋するわたし〜様々な役割を通して見出すやりがい〜」の2本。「働きがい」を中心に、思いやりを持ってどのように取り組めば、厚生連医療に恋する働き方♡が実現できるのかを、「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」という問題提起から話し合いました。「職場問題かるた」を使って交流し、参加者同士でかるたの作成も行いました。

第3分科会のテーマは「病院を地域に開く〜取り戻したの?コミュニケーション〜」。レポート報告は、「三重・南島メディカルセンター病院祭初開催」「長野・地域医療懇談会の取り組み〜コロナ禍からの復活に向けて〜」「熊谷・定時に帰れる職場づくりの実践」など。報告を基にグループワークを交え行いました。また第3分科会恒例の紙人形劇の練習を行いまとめ集会で発表しました。

第4分科会のテーマは「厚生連病院の果たすべき役割〜厚生連にバタコさんはいるのか!?〜」。一日目は熱海の街をフィールドワーク。フォトコンテストなどの交流を通して自分の病院の状況などを話し合いました。2日目は、「本当にやりたい医療とは」をテーマに議論。現状の問題点や、赤字による労働者や患者への影響などを考え議論し、改善策を出し合いました。
学びを実践し1年後また集まろう
集会のまとめは奥井明子事務局次長が行いました。
各分科会の報告を聞き、参加者の皆さんと地域医療について考えることのできた2日間になったこと、全厚労の方針でもあるように、労働者の生活と権利を守ることと、地域医療(厚生連医療)を守ることが両輪であることを再確認できたと述べ、集会だけで終わりではなく、今日の学びを地元に持ち帰り実践し、来年の集会は周りの人を誘ってさらに大きな集会にしようと呼びかけ閉会しました。