10%以上の報酬改定強く求め 12・5 財務省へ第二次要請

 12月5日、2ヶ月間に渡る全国キャラバン終結を受け、小池晃議員(参議院財務金融委員会委員)の取り付けで、「第二次財務省要請」を実施。今回はより財務省上位者への要請を希望しましたが、前回(10月8日)に引き続き、財務省主計官補佐(厚労担当)の松本氏が対応しました。

国のあり方として、医療・社会保障充実を求めた

全厚労は、25年度補正予算で示された「医療・介護パッケージ」での診療報酬の前倒し半年分とされる施策(下表参照)の、財政支援自体には感謝するものの、これまでの赤字の一部補填にしかならず、他産業の賃金水準には追いつけないこと。率直に現場は危機的状況に入っており早急に現場に届く施策にして欲しい、現場の願いは「患者・利用者のケアにもっと時間を取りたい」と思っていること、そういった願いに応える予算確保や報酬改定にして欲しいと訴えました。

25年度補正予算・医療介護パッケージの概要
25年度補正予算での医療機関等への基礎的支援政策

担当官は、「医療・介護パッケージ」に1.4兆円規模とこれまでにないものを組んでいると強調するとともに、「大変なのは高度急性期・急性期病院で、限られた医療資源をメリハリつけて投下することが重要だ」と話しました。
要請団からは、加盟道県や市長会・町村会を訪問して、担当部局や役員等から、「地方自治体の力だけでは医療・介護を支えられない。国が責任を持って財政・制度支援を行って欲しい」との声を伝えました。また政府の賃金統計でも、看護師や介護職の賃金は夜勤手当などを含んだもので、一般企業のように日勤のみで働く労働者の賃金とは、処遇の差がかなりあること。医療・介護の資源は人的資産そのものであり、人への投資なくして医療・介護インフラは守れないなどと訴えました。

社会保障の経済循環を考慮し大幅財政投資を

担当官は、現場の困難さは理解しつつも「報酬10%以上の改定は、かなりハードルが高い。1%改定でも5千億円(うち公費1千8百億円)必要となり10%は財源確保が困難。財務省としては財政規律を守って予算編成を行う義務を負っている」と回答しました。
要請団からは、「医療・社会保障への投資は、それらに関わる産業の成長や労働者の賃金上昇によって、経済発展・成長に繋がるのではないか。財務省にそういった視点やデータはないのか」と質しましたが、担当官からは「財務省での試算はない。厚労省でされているのではないか」との回答に留まりました。
その上で、改定率の政策判断は財務大臣と厚労大臣との間で行われるものであり、年末ギリギリに延びそうだが、臨時国会後に次年度予算編成の総枠が閣議決定されるまで具体的な率には言及できない、としました。
日本農業新聞としんぶん赤旗の記者が取材を行い、翌日の新聞に掲載されました。

現場の疲弊は限界!直ちに国の対策を
一言メッセージに619人の声 道県や財務省へ届ける

全厚労は、「ケア労働者からの一言メッセージ」を、独自のグーグルフォームを作成して取り組み、公式LINEのお知らせや秋の集会などで集約し、12月12日までに619人の「一言」が集まりました。

「一言」に集まった声は、医療・介護現場の実態と、改善に向けた課題の分析・職場からの提言という形式でまとめました。期間中の中間集約は、全国キャラバンでの要請や懇談でも現場の実態を伝える参考資料として活用しました。
最終集約では、広島192名、大分107名、新潟85名など17県からの声が集まりました。職種別では看護師が366人と半数以上を占めたほか、医師2名からの投稿もありました。分析結果では、深刻化する経済的困窮と生活不安、慢性的な人手不足で悪化する労働環境、離職の加速と未来の担い手不足や、使命感やモチベーションの低下などの実態が浮かび上がりました。
解決すべき課題として、「診療・介護報酬の大幅引き上げ」「人員配置基準の見直しと増員」「労働に見合った正当な賃金確保」が挙がりました。そのいずれもが、国の制度と施策に直接的に繋がるとともに、現場段階での要求や交渉も必要となるもので、今回集めた現場からの声を、26春闘でも積極的に活かしていくことが求められています。
まとめた分析データは、この間、対応していただいた国会議員や財務省担当官へも送付しました。集約・作成した「分析と提言」「現場からの声」は、全厚労ホームページからも参照できます。

「一言メッセージ」619人からの声・分析と提言はこちらから