春の組織拡大強化特集 仲間を増やして、要求実現の力に!

 全厚労各加盟組織では新歓だけでなく、同じ職場に働く仲間を組合に引き入れての組織拡大や、組合員に向けてのオルグ(組織活動)を通して、組合の団結を高める活動に取り組んでいます。今号では長野、広島、香川の取り組みを紹介します。

長野・同じ働く仲間として非正規の組織化へ
長野県厚生連鹿教湯三才山(かけゆみさやま)リハビリテーションセンターは、長野県上田市にある回復期リハ病棟や難病などのリハビリ専門病院です。1080名の職員のうち、正職員が930名で労働組合員、非正規職員は150名(約14%)、リハ職員が約3割を占めています。
非正規職員の組織化が課題になったのは、人事課所属の派遣職員が次期労組専従の候補となり、改めて「臨時職員」として病院の直雇用となったことです。その時、「非正規職員(非組合員)が、組合員の気持ちになって活動するのには無理があるのではないか」という矛盾に直面したのです。そこで非正規の組織化を先行して行っていた佐久支部を参考に取り組みを始めました。
非正規職員の実態を調べてみると、その多くが「最低賃金」近傍の時給で働いていることが分かり、「非正規の組織化が必要だ」という思いを改めて強くしました(図①)。

図① 非正規職員と低賃金層

その後、25年6月の定期大会で規約改正を行い、非正規職員については、希望者のみ加入でき、組合費は0.7%以下の定額制、労組役員は免除などの負担軽減措置(図②)を取りました。また組合勧誘の際にも、「具体的なメリット」(図③)を打ち出しました。

図② 組合規約の改正
図③ 勧誘の工夫

結果、4月現在19名が加入、非正規の1割以上が組合員となりました。彼ら・彼女らの不満や切実な声も直接掴めるようになり、また正職員にも「非正規職員も同じ仲間」という意識が醸成されるようになってきました。ただしまだまだ意識のギャップも存在しています。この溝をなくし、非正規職員の要求も春闘・秋闘要求に反映させて、具体的な処遇改善をしていくことで加入者増の好循環を作っていきたいと考えています。

広島・様々な意見や実態掴めた春闘説明会・職場オルグ
広厚労尾道支部では、組合員参加の春闘と団結促進のため、春闘説明会・職場オルグを行っています。
広厚労は3月6日に春闘要求提出、3月11日に回答指定日、3月12日に団体交渉を行いました。それらを踏まえ支部では16~27日(水曜日を除く7日間)の11〜13時の昼休憩に説明会を開催し、参加者にはクオカードを渡しています。一日に20〜40名程度、延べ180名が参加しました。

説明会・オルグに参加した広厚労尾道支部役員の皆さん

3月12日の第1回団交、26日以降は第2回団交の内容を伝えるとともに、ストライキ権投票の大切さなどを支部四役で説明。また時間が取れる方については、その後も職場の声を聞き取りました。
夜勤協定の不履行に伴う仕事の忙しさが積み重なっていて辛い、人員補充がないことへの不安などの意見が出ました。また物価高なので賃金アップを切実に思っていること、定年延長は今後どうなりそうか、などの質問も出されました。
参加者の中には、日頃組合事務所に来たことがない方もたくさんおり、いつもは話しができない人からも貴重な意見を聞くことができました。医師やスタッフ間などのハラスメントや夜勤が増えて大変なことの他、「病院からは赤字と聞くのに、そんなにもらって大丈夫なの?」という率直な意見もありました。それには組合としても経営状況を確認したり、経営の勉強をしたりして、可能な範囲で協議・妥結していることを説明し、理解してもらいました。
ここで集めた組合員の声を集約し、今後の組合の団結と交渉に活かしていきたいと思います。

香川・職員に寄添い、対話重ね、信頼を得て、組合員拡大
今年度、香厚労では10数名の新たな組合員を迎え入れることができました。大規模なイベントなどを開催したわけではありませんが、組合員との「対話」を心掛け、一歩ずつ活動を積み重ねたことが今回の結果につながったと考えています。
最大の取り組みは、執行委員会における情報共有を徹底したことです。決定事項の報告にとどまらず、そこに至るまでの経緯や背景を丁寧に伝えることを心掛けました。この姿勢が組合員に安心感を与え、日々の小さな悩みや不安を気軽に相談できる関係性が構築されました。
特に入職3年目までの職員は、日々の業務に精一杯で孤立しやすい傾向があります。私たちは彼ら、彼女らに徹底的に寄り添い、どんな些細な悩みでも支部交渉の議題として積極的に吸い上げ、「組合は皆の声を真剣に聞き、一緒に闘っている」という実感を共有するよう努めました。

香厚労 新人オリエンテーションでのグループワーク

1月31日開催の新人オリエンテーションでは全厚労青年委員会の活動を参考に、親しみやすい企画を導入しました。あわせて四役や各専門委員が顔を出し、積極的に自己紹介を行うことで、心理的な距離を縮めました。その結果、現場で新人と声を掛け合う場面が増え、信頼関係の土台を作ることができました。
団体交渉においても、現場の労働環境や切実な悩みを可能な限り具体的にリアルな「生の声」として会側にぶつけることで、組合の存在意義を改めて示すことができたのではないかと実感しています。
今回の活動を通じた教訓は、組合活動の原点は「日常的な対話」にあるということです。特別な行事以上に、現場の悩みに耳を傾け、その声を代弁する姿勢が新人や、組合加入を思い留まる職員の信頼を得ることに繋がったと考えています。
今後の課題は、この「寄り添う姿勢」を新体制の下で、より組織的に継続・強化していくことです。単なる加入数という数字を追うだけでなく、誰一人として取り残さない体制を構築し、全ての組合員が安心して働ける職場環境づくりに向けて、次年度も全力を尽くしていきます。