
3月25日、全厚労看護委員会は日本看護協会ビルJNAホール(東京都渋谷区)にて日本看護協会と懇談を行いました。看護委員と各県からのオブ参加者含め27名が参加。「人材確保・離職防止の取り組みと、看護職が働き続けられる環境の整備」のテーマで現場の実態を伝え看護協会の方針を伺いました。懇談の内容を紹介します。
日本看護協会(以下:協会)からは、労働政策部の堀川尚子部長、看護労働課の土屋あゆみ課長、塩津真美子さん、他2名が参加されました。
冒頭の挨拶で岩本中央執行委員長は、今回のR8診療報酬改定について、看護協会も含め、診療報酬10%以上アップを要求してきた。残念ながら3・09%というところになったが、その3・09%を看護職含め、医療現場で踏みとどまる人たちに還元するのは労働組合しかないと思っている。
今後も意見共有をしていきたいと思っていると、現場の処遇改善について協同を呼びかけました。
堀川部長からは、R8改定での医療・介護現場で働く人への処遇改善が現場で活用されていくように、私たちもこれから皆さんと協同で始めたいと思っている。本日配布した『看護職の多様で柔軟な働き方導入応援ブック』は、労働環境の改善が人材確保・定着促進にも繋がるということで、多様な働き方・賃金の改善について、キャリアに応じた賃金モデルをお示しした。2月5日に開催した日本看護サミットには1500名が集まり、看護職はじめ医療職が、患者さんや利用者さんの健康・安全を守るという使命と責任を果たすために、一人ひとりのウェルビーイングが重要であるとテーマに設定した。医療・看護提供体制を維持していくためにも、皆様から本日のテーマでの様々なご意見を頂けたらと思うと述べられました。

人手不足で病床削減
現場の人員確保問題について協会は人材不足の背景には日本の少子化問題があり、今までのような看護師が増えてきた状況ではなくなり、今後は新入職員が増えることは想定できなくなる。ライフステージに合わせた取り組みが重要で、人材の定着・確保に大きく舵をきった。正社員フルタイムで働ける人が少なくなる中で、様々な選択肢を持っていくことが必要で、年休の消化や、労働基準法の遵守が必要。ベア評価料の活用で、現場に還元するなど、今までとは違う状況を一緒に考えていきたいとしました。
また夜勤専従や定年延長などの導入が全国で進む背景には、病棟再編や病床削減、医療需要の減少で経営移譲が起きるなど、雇用自体が厳しくなっている現状を指摘。協会のアンケート調査では、病棟再編で余剰人員が生まれるというより、不足のところに足していくといった回答が多い結果になったとして、夜勤専従についてはガイドラインで歯止めをかけたが、お金の話だけじゃないインセンティブがあると思うと述べられました。
秋厚労や高厚労からは、病棟再編で病床削減が進む中、子どもの減少で小児科を残すことが難しくなり、大人と同じ病棟に入れることでゾーニングをしてもスタッフへの負担となっている現状を伝えました。協会からは現場での教育体制の強化や、必要体制の構築を看護部で話すことが重要との認識を示しました。
夜勤従事者への特別休暇
インセンティブを
全厚労から夜勤ウィーク導入について質問をすると、協会は調査結果を公表したが、夜勤中も休日は日中活動するので、大きな差がでなかった。
夜勤後の昼間の睡眠は取ってもストレス軽減はされず、夜に眠らないと疲労が回復しないという結果が出た。普段の日勤中と比べたら、次の日までしっかり寝ることが回復には有効とわかった。夜勤をしている人の休日数を増やすことも必要と考えている。そういうことができるように情報提供していきたいと、継続して夜勤に入っても、休日は日中に活動している事例を挙げました。 参加者からは、夜勤をしてくれる人が非常に重要で、経営者も大切にしているので、夜勤従事者へのインセンティブとして特別休暇を付与するなど、人手不足の中だがお金だけじゃないものとしてとても良い取り組みだと思う。労使の交渉で要求していきたいと伝えました。
協会からは、夜勤をする看護師の労働時間を減らして休みを増やすことや、夜勤の負担軽減に資する業務改善や、夜勤手当の増額など可能な方法を探って頂きたい。また、夜勤専従は身体への負担が非常に大きいので期限を設けるなどが重要との認識を示しました。
管理者が年休
「あげる」発言
全厚労から看護協会でも労基法の研修などをやって頂いているが、年次有給休暇をいまだに「あげられない」という言葉を平気で使う管理職がいる。「お前にそんな権限はない」と思うが、そういうものだと思っていると思う。看護協会から労基法全体ではなくても、何かお知らせなどを発出できないか聞くと、協会からは、協会のニュースで働く相談窓口Q&Aの中に有給休暇のことを回答しているので使ってほしい。今後も情報発信をしていきたいと思う。管理者側も労働者側も、基本は学生の頃から知ってもらっていても良いと思う。労働法制の知識をお伝えしているセミナーを企画している。日看協で看護管理者の教育にも力をつけていこうと、専門の課を新設する予定であると話されました。
参加者からは、必要でない仕事や委員会を思い切って減らす努力や、管理職の研修を魅力的なものにして学生のカリキュラムの強化などで今後師長になる人材が先に労務管理について学んでもらえる機会を提案しお願いしました。
また職場の中で「休みを取ることが悪」という風潮があることについて、しっかり休んで健康な体で仕事をすることが患者や地域医療の為になるので、身体を休めることも仕事の内だということを研修の中で伝えていただきたいと要望しました。