〝平和〟でなければ、医療も守れない!

イラン戦争の早期終結へ、日本の立場いかした独自外交こそ必要
石油供給不安で医療物資不足へ
アメリカとイスラエルによるイランへの軍事攻撃により、ホルムズ海峡が封鎖状態になり、原油を始めとする物資供給が滞る中で、ガソリンはもちろん、「ナフサ」の関連する様々な化学製品を必要とする産業や企業の不安が高まっています。
医療関係では、合成ゴム手袋や薬の包装材、注射器や輸液バッグ等のディスポ資材の不足が懸念されています。農業分野でも燃料はもちろん、ビニールハウス資材や多くの包装が石油製品に依存しています。インク不足を想定して、商品パッケージをモノクロ化することを発表したカルビーを始め、あらゆる産業や生活基盤において、石油に依存する構造があり、資源の乏しい日本での影響は甚大です。
政府はナフサの代替調達や備蓄の活用により、「日本全体で必要量は確保できており、供給不足の懸念はない」との見解を一貫して示しています。しかし、厚生連の医療資材等の共同購入を行っている日本文化連では、「物流の滞り、卸・メーカーの在庫状況の差から、出荷制限や調整は様々で予断を許さない状況にある」として、さらに「必要を越えるような顕著な便乗値上げにも監視の目が必要だと考えており、各メーカー・卸の状況確認を行うとともに、医療物資の供給不足が地域医療のブレーキとならないよう、国の担当部署からの情報も得て会員へ迅速かつ丁寧に伝えるように努めている」と対応を進めているとのこと。
一刻も早くイラン戦争を終結させ、平和を取り戻すことなしには厚生連医療や私たちの生活も維持できません。

全厚労ピースフラッグで「いのちまもる」をアピール(25年度女性委員会)

戦争状態の早期終結に向けて
現在の危機をもたらした根本原因は、アメリカがイランとの核開発交渉中であったにも関わらず、一方的にイスラエルと歩調を合わせて、イランを軍事攻撃し、指導者の大多数を殺害するばかりか、無関係のイラン国民をも殺傷したことにあります。しかも子ども達のいる小学校を攻撃するなど、何重にも国連憲章・国際法違反の暴挙を重ねてきました。
そもそも日本はイランと長年の友好関係を作ってきました。トランプ大統領の施政に関しては、この間、全米各地で「NO KINGSデモ」が広がっているように、支持を得られていません。トランプ一辺倒の日本の外交姿勢を止めさせ、真に秩序ある国際社会の構築に向けて、「自立した日本」の外交こそ必要ではないでしょうか。

核兵器禁止廃絶の声を拡げよう
5月6日、核兵器廃絶と平和な世界の実現を訴え、全国各地から被爆地の広島・長崎を目指して歩き継ぐ「原水爆禁止国民平和大行進」が、東京・夢の島の第五福竜丸展示館前広場からスタートしました。被爆者20名の方々を始め、600名を越える人々が参加し、全厚労からも書記局と例年参加してきた茨厚労OBの畑中さんも来てくれました。
各平和団体からの挨拶では、核不拡散条約(NPT)再検討会議でも、これまでになく「核兵器をなくせ、使わせるな」という国際世論が広がっていることや、「日本の非核三原則を守らせよう」との訴えがありました。 参加者らは、時折強い風の吹く中、夢の島から新橋まで、「ピースコール」や「ヒロシマのある国で」を唱和しながら、パレードしました。

東京・夢の島を出発する平和行進参加者

NPT再検討会議の成功へ
5年毎(コロナ禍等で若干の変動あり)に開催されている国連での「NPT再検討会議」は、4月27日〜5月22日の日程で、最終文書採択に向けて最大の調整が行われています。前2回の会議では核大国間の合意が得られず、文書採択に至らなかったことからも、その動向が注目されています(注:残念ながら、今回も最終合意文書作成には至りませんでした)。
核をめぐって、不法なイラン攻撃が始められた中で、不平等な「核不拡散」から「核兵器禁止」へと国際世論を拡げていくことが、大切になっています。皆さんの現場からも全厚労「ピースウェーブ」の取り組みをさらに拡げていきましょう。

なぜ「憲法改正」急ぐ 「緊急事態」に内閣権限を強化!?
日本国憲法施行79周年を迎えた5月3日、「憲法を守り活かそう」との運動が全国各地で行われました。東京では江東区有明の広域防災公園で、約5万人の市民が参加して憲法大集会が開かれた他、全国では、237ヵ所で9万5千人以上が参加(現在も集計中)したと集約されています(デモカレンダー調べ。リンク有り
同日、高市首相は「改憲派」集会へのビデオメッセージで、「国会への決断に向けての議論を進める」とし、自民党大会でも「(改憲の)時は来た」と強調、1年後の大会では、改憲発議に目処が立った状態で迎えたいとしています。
現在、国会の憲法審査会で議論されている改憲の論点は、「緊急事態条項」です。5月14日の衆院審査会では、衆院法制局と審査会事務局が「『緊急事態条項』のイメージ(案)」を示しました。そこでは、国会議員の任期延長や、内閣へ権限を集中させる「緊急政令」を可能とする内容が盛り込まれています。
イメージ案では、「緊急事態の範囲(定義)」として、大規模な自然災害や感染症のまん延、外部からの武力攻撃などを挙げていますが、そもそもそれらの事態への対応については、災害対策基本法や感染症法、有事法制などで規定されています。「改憲」の目的は、国会議員の身分延長や内閣の権限強化を企むものでしかありません。万が一、緊急事態が「衆参同時選挙」と同時に起こったとしても、参議院議員の半数が存在し、国会として機能しています。国民から負託された「国権の最高機関」である国会から、内閣に権限を集中させることは戦前の反省から生まれた「平和主義」の否定に他なりません。

国民は「憲法9条」改正に反対
憲法記念日に向けた朝日新聞の世論調査では、「憲法9条改正は必要ない」63%と、「必要ある」30%にダブルスコアで上回っています。この他、「非核三原則見直し」に反対、「殺傷能力ある武器輸出」にも反対が賛成を上回っています。世論を無視した施政には「NO!」の声を挙げていきましょう。
参考資料として、「緊急事態条項」「議員任期延長」などの問題点を解説した日弁連の「憲法改正の何が問題なの?」のページ(←をクリック)を紹介します。