男性育休、働きやすい職場へ一歩 女性委員会プレゼンツいきいきワーク学習会

 6月12日、東京・入谷「日本医療労働会館」にて16県72名で女性委員会プレゼンツいきいきワーク学習会、翌日に平和委員会との合同企画で靖国神社平和ツアーを行いました。集会では基調報告のほか、「女性労働者実態調査結果から見えるもの」、「男性の育休取得について」、「更年期・介護について」のテーマで特別報告、テーマに沿ったグループワークを行いました。

妊産婦が請求した場合深夜業(夜勤)をさせることは出来ない

妊婦に過酷な実態あきらかに
 全厚労からも多くの組合員に協力頂いた、「全労連 女性労働者の労働実態調査」及び「妊娠・出産・育児に関する実態調査」について、福島県厚生連で27年間看護師として働き現在は日本医労連女性協事務局長の齋藤由美子さんから医療産別(日本医労連集約分)の特徴を報告頂きました。

 生理休暇について8割以上が取得できず、約7割の職員が鎮痛剤を服用しながら勤務していること。また、妊娠中であっても深夜業勤務を余儀なくされている看護師が3割に上り、流産の経験については5年前の調査より4・9ポイント増え、全産業と比較しても2・4ポイント多い結果が話されました。

 妊娠中の状況については、症状の多い順で、「妊娠悪阻つわりがひどい」38・1%、「切迫流産・早産」28・1%、「貧血」22・0%と続きました。「順調」と回答した割合も全産業より低く、安心して妊娠継続できる職場環境が、命を守る医療現場にもかかわらず十分に整っていない実態が明らかとなりました。

 また育児休業の取得状況について正規職で高い一方、非正規では特に有期雇用で取得率が低く、有期雇用者の約半数が妊娠・出産を機に退職していることが分かりました。2022年以降の育児・介護休業法改正により育児休業を「自分とパートナー双方が取得」が増加しましたが、正規19%、非正規(無期) 15・8%(有期)4%と、非正規では取得が進まず、出産後も働き続けることが難しい状況が続いています。

 妊娠中の業務軽減措置については、多くの職員が、「深夜業免除」や「時間外労働免除」、「休憩時間延長」、「通勤緩和」などの制度を知らず、「母性健康管理指導事項連絡カード」も半数以上が未周知でした。

 母性保護制度を活用するには、人員配置や賃金保障、安心して利用できる職場環境の整備が必要です。齋藤事務局長は医療・介護・福祉分野で、女性に家事労働を期待する考え方が賃金の低さにつながってきた、根底にある女性差別をなくし、一人ひとりが大切にされる職場をつくるためには、声をあげた人を孤立させず、声をあげられない人の思いに寄り添うことが重要であり労働組合の役割だと話されました。

看護師の4人に1人が流産を経験

自信につながった男性育休取得
 男性の育休取得について、茨厚労から水戸支部・斉藤史哲さんと西南支部・小川誠貴さんから経験や「茨厚労における男性育休取得状況」調査の内容を報告頂きました。

 男性看護師で1ヵ月育休取得した斉藤さんは、慢性的な人員不足により一人が長期間休むことで他スタッフへの負担の懸念、「周囲に迷惑をかけるのではないか」という心理的負担から取得をためらう男性看護師も少なくないと話された一方で、女性が多い職場のため師長など管理職も理解があり実際は取得しやすい環境にあったと報告されました。

 小川さんは、主に看護師・リハビリ・臨床工学士など24名が回答した男性育休取得についてのアンケート内容を紹介。約70%が男性育休を取得しやすかったと回答し、日数は1〜3か月の間で取られる方が多かったことなどを話されました。

 また、自身の約3ヶ月間の育児休業について、成長が著しい時期を毎日一緒に過ごせて一生に一度の貴重な期間となった。おむつ交換や沐浴、ミルク、寝かしつけ、病院受診などを一通り経験でき、育児スキルが身についたことで復職後も自然に育児参加できた。子どもを24時間見守ることで生命の力強さを再認識し、子どもが数時間前にはできなかったことが不意にできるようになる瞬間に立ち会えるのは、四六時中一緒にいる「育休中」だからこその特権だと話されました。

 アンケートから「休業給付金の支給が遅く数ヶ月分の貯えは必要」「急な生活リズムの変化でストレスや体調不良にも注意。しかし、取得してよかったと思う」といった声も紹介され、最後に「仕事を休む制度」ではなく「家族と向き合うための制度」であり、積極的に取ってほしいと呼びかけられました。

知って欲しい更年期

 楠潔代女性委員長からは自身の体調変化についての経験も含め、「更年期」時期や介護について報告しました。

 更年期はホルモンバランスが乱れることで自律神経の調節が
乱れ、ほてり・のぼせ・冷えなど、体にさまざまな不調が現れます。症状は100種類に及ぶともいわれており、約9割の女性が何らかの不快症状を感じます。種類や強さには個人差があります
が、このような更年期のさまざまな不調を「更年期症状」仕事や家事に支障をきたしてしまうほどの重いものを「更年期障害」といいます。更年期以降もエストロゲンの減少によって女性は骨粗しょう症や動脈硬化などのリスクが男性よりも高くなります。
 楠委員長は更年期についての知識がないと症状ごとに受診する「ドクターショッピング」になりやすく、婦人科での更年期医療を受けられないまま悩む女性も少なくないと話され、体調の悪い時はお互い様の精神でみんなが我慢せず、鎮痛剤に頼らず、休む職場にしていこうと呼びかけました。

健康に働き続けられる職場へ

 参加者からは「女性の体はホルモンバランスや体調の変化で色々な症状がある。いま休めない現状があるので、休みやすくする職場や、人員増を組合として交渉していく必要があると思った。色々な休みや制度があることを学習して、それを材料に交渉していこう」といった発言や、「新生児の時期はすぐ終わってしまう。1日1日を父親として、自分の子どもとの時間を大事にするべきだと思った。その時間を作るためにも、人数が少ない職場の体制を整える必要がある。更年期の職員も労り、いつでも気持ちよく休暇を取ってもらう環境を整えて、質を上げていくことでお互い様の精神が作られるようになると思う」といった発言がありました。

 松尾晃担当四役から集会まとめで、女性委員会スローガン「健康でやさしく美しく働き続けるために」は、1984年婦人集会での徳島の参加者から出た感想を取り上げて掲げてきたもの。お互い様でしっかり休んで健康でいられる社会になればと思う。1986年男女雇用機会均等法ができ、女性も男性同等に働く社会となった。男性も働きやすく、お互い様でしっかり休んで、健康で生き続けられる社会になっていければと思う。男女だけでなく性自認はいろいろある。その人らしく働ける職場を作るために「いきいきワーク学習会」ができたと思う。いい職場を作って、いい医療や介護を提供できる運動に発展していくことを期待したい、と呼びかけました。

会場後方では原爆パネル展示も行いました
集会には男性組合員も多く参加