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女性委員会

12年に訪れた大熊町の実家(上)、楢葉町の除染物仮置き場・青い空・海と黒のコントラストが痛々しい(中上)、タイペックを着て話す渡辺さん(中下)、真剣に話を聞く参加者たち(下)
◆ 2014.06.20

震災被災地・東電福島第一原発の実情を見て感じて
 ~第37回全厚労女性集会in福島に150名参加~


 全厚労は6月13~14日、第37回女性集会を福島県いわき市の「スパリゾートハワイアンズ」にて開催し、16県150名が参加しました。3年以上経った今も復興・帰還できない被災地・被災者の実情を見て聞いて感じて、自分たちに出来ることをやろうと話し合いました。

いのちと性を大切にするのが女性
男性とも手を取り合って命守ろう

 主催者挨拶に立った茂原委員長は、大飯原発稼働差し止めを命じた福井地裁判決に触れ、「人を大事にする『人格権』こそ最優先。医療・社会保障分野でも『人格権』守る立場で、男女が助け合って取り組みを進めていきましょう」と訴えました。
 基調報告もかねて挨拶した折笠女性委員長は、「母性保護と女性の権利を学び行使する、いのちと性を大事にするのが女性委員会の活動です。女性は平和を好むことが原点であり、出発点です。原発事故は収束しておらず、今も苦しみ続けている福島のことを知り、私たちに何ができるか、一緒に考えていく集会にしましょう」と呼びかけました。

人生が変わり、家族がバラバラに
ふるさとかえせ!と国・東電提訴

 一つ目の特別報告として金井直子さん(福島原発避難者訴訟原告団事務局長)に、被災・避難者の一人として当時の様子や現状をお話いただきました。
 震災が起きて4ヶ月後、自宅に帰った時、冷蔵庫の中のものは腐り、家全体がかび臭さに覆われ、2時間までの滞在でとても自宅に帰ったとは思えなかったことをしみじみと話されました。また12年に大熊町の実家に一時帰宅した時には、46・36マイクロシーベルト(年間では約240ミリシーベルトに相当)もあったそうです(写真上)。
 現在被災地にはあらゆる所に除染廃棄物をまとめた仮置き場が存在します(写真中上)。元々美しい自然にあこがれて楢葉町に移住したのですが、なおさら美しさと共存する真っ黒なフレコンバックを見るととても悲しくなるそうです。
 仮設住宅住まいが辛いと中古住宅を買って住まわれたある避難者は元々の住民から様々な誹謗中傷などを受け、耐えられず家を売って出ていってしまわれたとのこと。いわき市民も被災者であるが故に、十分な補償が受けられないことで避難者に対して怒りが向いて被災者同士が分断されています。
 「賠償金よりも家に帰りたい」というのが本音だけれども、元の暮らしに戻れるわけでもない、でも責任の所在をはっきりさせたいと原告団事務局長を引き受けたそうです。

原発事故を収束させるために
原発労働者の環境改善の運動を

 渡辺博之さん(原発をなくすいわきの会・いわき市議会議員、写真中下)は、原発作業員の劣悪な労働環境・労働条件の改善なしには事故の収束はできないと強く訴えられました。
 現場ではずさんな工事がなされている汚染水タンクのことや一歩間違えば大きな火災となりかねない消防法違反の給油作業、また「退職か被曝隠しか」を迫られる線量計外しの実態、危険な高汚染地域での活動など、人を使い捨てにしている現場実態を告発されました。そういう危険な中でも作業員たちが実際は不安を思いつつも強い使命感を持って働いていることにも触れられました。
 原発労働者の日当は6000円~15000円なのに対して、楢葉町等で除染作業にあたる労働者は15400円、東京で建設作業に従事する人はおよそ30000~35000円が水準とされる中で、人が集まりづらくなっているそうです。
 今は原発労働者の健康や安全を守り賃金確保させるため、医療機関と連携しての健康相談、労働者応援ポスター、政府や東電との交渉の他、実態を伝えるDVDの普及などを行っています。国民からの応援が途絶えて現場の士気が下がっており、労働者を激励するために東電社員とも一点協力し、Jビレッジで果物配布しています。また表面上は敵対的関係にある東電社員も励まし、守ることも必要だと話されました。




     
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