労使対等の交渉に!要求を勝ち取ろう!!2023年全厚労役員強化セミナーin有明

 6月30日から2日間、東京ベイ有明ワシントンホテルにて「全厚労役員強化セミナーin有明(労働学校)」を開催し、12県53名が参加しました。北海道開催の前回から4年ぶりとなったセミナーは、3つの全体講義と実践企画としてグループに分かれての職場要求作りと模擬団交を行いました。(実践企画は4面に詳細)

 セミナーは第1講義の前半部分も兼ねた主催者挨拶からスタート。全厚労教宣部の高本奉彦中央執行委員が、「私も全厚労の集会に出て、いろいろな県の話を聞く中で、支部としての活動を頑張らないと労働組合の価値を組合員に認めてもらえないことを、活動を通して感じている。このセミナーを通して今後若い人にも労働組合運動で自分の働く病院で長く働ける環境をつくってもらいたいという思いがこの役員強化セミナーに繋がった」とセミナーのテーマ設定の由来や、広島県厚生連労組(以下、広厚労)吉田支部の支部交渉の歴史にも触れながら挨拶を行いました。
 後半は松尾晃書記長の基礎学習で「一人はみんなのために、みんなは一人のために」と題して、労働三権や労働組合の歴史、労働関係法規について学習しました。

 

団交やってみよう

 第2講義では、岩本一宏中央執行委員長の要求を勝ち取る「団交のススメ」。全厚労のスローガンである「知って知らせて組織する」の紹介から始まり、広厚労執行委員長として取り組んできた「労働基準法や各種法律の遵守」「8日夜勤協定」「病院際の開催」や、これらを看護科中心に頑張ってきた結果、看護師配置数が07年と比べ129名増えたこと。賃金では長年の大幅ベア要求が今年のベア3千円(約1%)に繋がったこと。また、年休については最低8日遵守を求めてきたことで、昨年の平均取得日数が25.8日(年休17.6日+リフレッシュ8.2日)となったことなどを紹介。さらに「アンケートは労働組合の通知表です」として、2022年の「看護職員の労働実態調査」結果を全国や全厚労と比較し自分の支部の労働環境や職員のやりがい、”働き続けたい”と思う職員が増加してきたことを紹介しました。
 また団交で労働者側が有利に進めるための技や交渉のポイントなどのテクニックについても学習しました。

協同組合だからこそ

 特別講義では、日本文化厚生農業協同組合連合会の代表理事理事長東公敏氏をお招きし、「協同組合としての厚生連医療と地域づくり」と題し、文化連の主な事業や、厚生連医療の存在意義についてお話し頂きました。
 日本の農協が世界的にも珍しい総合経営という戦略をとり、その中で、「安心してかかれる病院が欲しい」「病気にならないように予防したい」などの組合員の切実な願いが医療・健診・介護事業(厚生連医療)になった歴史や、農協が世界に先駆けて「地域密着」として、地域にねざす組合員制度と運営を行ってきたことが、農協に「共益性と公共性」を持たせ、特に公共性を最大限発揮させたのが厚生連医療であることなど説明頂きました。

参加者アンケートから

第1講義「労働組合の基礎知識」

●ほとんど知識がなかったぶん、講義を聞いて全部が分かったわけではありませんが少し理解はできた。
●労働組合の基礎知識を通じて労働組合の存在意義や目的について復習することができた。経営側に集団となって要求する事の必要性を学んだ。
●労働組合の歴史や言葉の意味など再確認でき、勉強になった。

第2講義「団交のススメ」

●広厚労の実態は気になっていたので、知れて良かったです。自分の労組も広島のように看護師が充実するように努めていきます。
●委員長が講義で話された技術や手法を使用して効果的な交渉を行えるようになりたいと感じた。
●心理テクニックを使いながらの交渉が効果的だと分かり面白かった。実際に結果が出ているのですごいと思った。

特別講義「協同組合としての厚生連医療と地域づくり」

●協同組合とは、そもそもJAとはどういう組織なのか振り返り、学べる良いきっかけになった。
●わかりやすく協同組合について知ることができた。
●地域医療構想についても触れていただき、非常にわかりやすい講義でした。