中央から、地方から声を挙げていこう

秋闘キャラバンの成功・新年度方針の実践を

 25年度方針では、例年の中央行動(国会議員要請、厚労省要請、諸団体懇談)に加え、厚生連病院がある自治体に秋闘キャラバンとして全厚労書記長が向かい、加盟組織と共に県庁や市町村会に厚生連医療の重要性と支援を訴える取り組みを提起しました。来春の診療報酬改定を見据え、秋闘キャラバンは「医療・介護を守る」「厚生連医療(地方の医療)」を守る政策運動を全国的に広げる取り組みとしています。
 大会の質疑では「書記長が本部にいなくて大丈夫か」の疑問に対して、本部専従やブロック担当副委員長のフォローで完全不在を避ける旨を説明。財政面や運営面での懸念に対しては、「未来への投資と捉えて、政策課題を可視化して地域から国に訴える運動にできれば」と強調しました。
 25春闘の成果としては、北海道、秋田、徳島のベースアップがありました。その他各県とも奮闘し各種手当や労働条件改善に大きな前進がみられました。
 発言でも皆さん盛んに訴えがありましたがコロナ危機以降の患者数は回復しつつも材料費や水光熱費の高騰による収益悪化が顕著にでているため、会として労働者の賃上げに踏み切れない実情があります。やはり、次の診療報酬改定で病院の収益を改善しない限り、医療従事者の賃上げは困難です。
 厚労省は病床数適正化事業により病床数削減、病院統合の方向へ誘導しています。しかし、先のコロナ危機で真っ先に病床を提供したのは厚生連病院でした。能登半島地震で厚生連病院がDMATで貢献した実績など、地域医療の防波堤として要な医療機関です。今回行うキャラバンでは、今一度こうした実績も訴えてきたいと考えています。
 総括答弁では、各組織の粘り強い交渉と成果を称えつつも「来年は診療報酬引き上げが噂されるが、実際の賃上げや労働条件改善は各組織の奮闘にかかっています。共に団結して乗り切りましょう」と呼びかけました。
 2025年度は「生活と医療と平和を守る」のスローガンを胸に、政策提起と社会発信を一体化したキャラバン行動で訴えを強めていきます。引き続き全厚労に結集して危機を乗り越えましょう。(書記長 大栗 陽)

シンボルマーク授賞式も

 5月の第7回拡大中執で全厚労シンボルマーク募集作品の選考会を行いました。34件の応募作品の中から、Googleフォームで投票を行った結果、15票獲得の山厚労(作業療法士)の作品が選ばれました。定期大会交流会で授賞式を行い、岩本委員長から3万円分のクオカードが授与されました。

 

基幹病院としての継続・職場環境改善に尽力
広厚労吉田支部との対話集会で市長発言

 8月21日、広厚労吉田支部は「地域医療:地域の基幹病院として住民に最良の医療提供を続けるために当院で働く職員(労組員)が市長に現状を伝え、自治体と協働できることが何か対話を通して考えたい」をテーマとした安芸高田市の対話集会に参加し、市長と福祉保健部部長、健康こど
も未来課長など5名を迎え、意見交換しました。
 対話集会はまちづくりに関する市民の意見や提案を聴き、今後の市政運営に活かすことを目的としたもので、現市長が就任してからの試みです。
 集会のことは市の広報誌で知り、職場委員会の時間を活用してみようと応募。内容は市の広報に掲載されるので市民へのアピールの機会にもなります。これまで市長とは四役で面談を重ね、看護師不足や施設老朽化などを伝えていますが、実際に現場を知ってもらいたいと常々思っていました。
 当日の施設見学は叶いませんでしたが、役員が院内の状況(紙カルテ、手回しハンドルベッド、6人部屋、4年前に水害被害があった外来の当時と現在、全体的に老朽化)をスライドで説明。市の役職員の方々は初めて知る内容もあった様子で真剣に聞いていました。その他、職場委員が持ち寄った質問(地域活性化、ホテルやコーヒーチェーン店の誘致など)に直接回答をいただき、市としての考えを確認することができました。
 市長は「地域の基幹病院として必要であり、今後も残していかなくてはならない」と発言され、実際に市として安芸高田市で働く看護師対象の5年間奨学金返済制度や夜間救急への補助金増額など地域医療存続に向け、尽力されています。
 一方で財政難や少子高齢化などの課題で、支援にも限界があることも話されました。
 そのような厳しい中でも、私たちは地域の皆さんに安全・安心な医療看護を提供したいこと、安心して働き続ける職場環境が必要だと訴えました。看護師不足、建物やシステム老朽化など課題が山積みですが、動くことで一つでも改善することを願います。(広厚労吉田支部・徳本記)

現場実態を伝え、市の姿勢も確認できた安芸高田市と広厚労吉田支部の対話集会の様子