長野県の医療・介護の危機をともに乗り越える

いのちまもる県民集会に行ってみた!
2025年11月1日土曜日、県民集会実行委員会主催のいのちまもる県民集会(アクティホール:長野市)に参加してきました。
13時から文化行事、演奏楽団ミルク&カウボーイズの演奏から始まりました。医療関係者でつくる音楽グループで長厚労OBの方もいらっしゃいます。13時30分から長野県民主医療機関連合会会長の開催挨拶の後、長野県社会保障推進協議会事務局長の基調報告がありました。続いて、リレートークとして地元弁護士や村会議員、難病患者連絡協議会会長、障害者連絡協議会代表、福祉人材センター所長、介護福祉士会会長、長野県看護協会会長、保険医協会副会長、臨床研修医までさまざまな立場から発言がありました。
14時45分からは、「医療・介護の基盤インフラを充実し、安心できる地域づくりを」というテーマで日本医療総合研究所研究委員の寺尾正之さんの講演がありました。
講演は学びの多い内容でしたが、特に印象に残った内容を要約抜粋しました。
意図されたシステム縮小と構造的な欠陥について
現行の医療政策は救済ではなく、意図的なシステム縮小を前提としており、その構造的欠陥が医療崩壊リスクを高めています。
- 政府は「既存病院の救済」ではなく「システムの効率的縮小」を課題と定義しています。
- 収入は公定価格で固定され、コストは市場原理で変動するため、制度は本質的に不安定です。
- 高齢者人口が急増する2040年に向けた供給削減は、将来の需要と致命的なミスマッチを生みます。
- 効率化一辺倒の改革は、パンデミックや災害時に対応できない脆弱な医療基盤を構築します。
政策が引き起こす負の連鎖と改革の要諦とは
政策設計の歪みが現場の疲弊とサービスの質の低下を招いており、変革には世論を動かす戦略が不可欠です。
- 診療報酬制度が早期退院などを促し、意図せず医療の質を損なうインセンティブを生み出しています。
- 「世代間対立」といった言説が、政策の真の意図と最も深刻な影響を受ける層を覆い隠しています。

- 社会保障はコストではなく、社会の分断を防ぐための戦略的投資と捉えるべきです。
- 改革の鍵は、客観的データで裏付けられた当事者の切実な声で世論を動かすことです
※集会終了後、長野駅前でアピール行動がありました。




