全厚労25秋・全国キャラバンは、新潟・富山から長野に繋ぎ、茨城・とりで医療センターの病院祭を経て、神奈川、岐阜、静岡を訪問してきました。11月13日までの要請行動を紹介します。
新潟市長会として各市へ医療現場の声を伝えたい
10月17~18日、仙台での看護集会を終えた大栗書記長は、翌週、新潟・富山・長野の北信越3県を駆け足で廻りました。
10月22日の新潟県要請では、新厚労役員2名と県地域医療政策課を訪れ、医療経営の深刻さと退職者の増加などの切実な実態を訴えました。県でも地域医療確保のため、あらゆる手を尽くしていることが話されました。市長会・町村会では、新潟県の広域性や地域差問題への言及があった他、全厚労から提供した「一言メッセージからの提言書」や「現場の声」を各首長へも共有すると明言されました。また要請行動は地元紙の新潟日報でも報道されています。

翌23日の富山県要請では、富厚労役員3名とともに県庁・市長会町村会を訪問。医療政策担当と医師・看護師確保担当の課長に対応してもらいました。
富山県では、市部と多くの中山間地を抱える中で、人口減少と働き手不足で、医療サービスの維持が困難であることに悩みを抱え、県としても厚労大臣への要請などに取り組んでいることが話されました。

全国地方自治体として 国・政府に要望進める
10月24日には隣県の長野県に向かい、長厚労役員3名とともに医師・看護師確保対策や介護支援に関わる課の課長補佐らと懇談しました。要請団からは医療が教育や買い物等の生活インフラであることや自治体の財政力と補助金の額によって病院の経営状況に格差が生じていることなど、構造的問題を訴えて全国知事会会長となった長野県知事の活躍に期待を表明しました。
また市長会・町村会との懇談では、「来年6月の診療報酬改定待ちでは耐えられないと言う声が全国である。公立・公的病院への支援は重要だと、要望書をまとめ11月に県や国会議員、省庁に要請していく」との力強い話しがありました。
なお長野では、業界紙の医療タイムス社と日本農業新聞信越支局から取材を受けました。

コロナ禍後、再開2年目の病院祭にて署名宣伝行動も
25日、長野から茨城へ向かい、とりで総合医療センターで行われている「第28回ふれあいまつり」に参加し、全国キャラバンのアピールと署名宣伝行動に合流してきました。病院祭はコロナ禍で中断し、今年で復活2年目とのこと。署名コーナーでは、増員署名129筆、介護署名112筆を集めることが出来ました。

週明けて10月27日、神奈川県へ要請に向かいました。県からは健康医療局の他、福祉こどもみらい局の担当者の7人に対応していただきました。要請団からは、低処遇による資格者の他産業への流出問題や、訪問介護料の引き下げによる事業所閉鎖等の問題を強く訴えました。
地元マスコミの反応も上々 世論の高まりに期待!
11月4日には全厚労中執による秋の厚労省交渉(2面詳報)を行った後、全国キャラバンは東海ブロックに入り、岐阜県へと向かいました。11月6日、岐厚労役員4名とともに、市長会・町村会との懇談を行った後、県庁に向かい要請。担当者へ、医療・介護人材流出の課題や医療機関の赤字状況等について訴え、スピード感ある支援措置を求めました。ここでもマスコミ2社から取材を受けました。

11月13日、静岡県の市長会・町村会懇談と県要請を行いました。要請団は全国的にも経営の厳しい静岡県厚生連の状況や現場の処遇実態を伝え、県の支援強化を訴えました。また静岡では、日テレ系列のテレビ局に、「今日のトピックス」コーナーで、「全厚労が医療・介護報酬のアップ求めて県へ要請」と事前報道をしていただきました。

「現場の声」が世論動かす
11月1日(いいひ)、「いのちまもる長野県民集会」
11月1日、長野県内の医療関係団体などでつくる実行委員会主催の「いのちまもる県民集会」が開催されました。全厚労全国キャラバンの想いと一緒の企画で、長厚労も積極的に参加、運営にも関わっているとのことで、大栗書記長が行ってきました。
集会は、長野市のアクティホールにて13時の文化行事から始まりました。長厚労OBも参加する演奏楽団ミルク&カウボーイズの演奏後、基調報告やリレートーク(村会議員、難病や障害者団体、県介護福祉士会会長、県看護協会長、臨床研修医等々)がありました。
記念講演では、日本医療総合研究所研究委員の寺尾正之さんから「医療・介護の基盤インフラを充実し、安心できる地域づくりを」というタイトルでお話いただきました。寺尾氏は「現行の医療政策は、意図的なシステム縮小を前提としており、その構造的欠陥が医療崩壊リスクを高めている」、その政策設計の歪みを正すには、「社会保障はコストではなく、戦略的投資と捉えるべき」「改革のカギは、危機にある医療・介護の実態を客観化して〝事実の重み〟で声を上げる人の裾野を広げ、行政・国に迫ること」だと訴えられました。
参加者は、集会終了後、長野駅へ移動し、「いのちまもる」アピール行動を展開しました。たくさんの長厚労メンバーも手際よく、署名・宣伝行動に動いていました。
