今月末に退職を予定しています。有給休暇の残り日数が退職までの勤務日数を超えていました。消化しきれない分を買い取ってもらうことはできないのでしょうか?

○ ただし就業規則や労使合意によります

労働者が有給休暇(以下有休)を申し出た場合、与えないことは違法となります。使用者側は有休の取得日を他の日に変えてもらう「時季変更権」を有していますが、「事業の正常な運営を妨げられる場合」に限られています。
退職予定日が決まっており、時季変更権によって変更できる勤務日がない場合、結果的に有休の取得を拒否することになってしまうため、時季変更権は認められません。退職予定者が有休を申し出た場合、その全てを有休とすることが原則になります。
とはいっても引き継ぎなど必要な業務があり、全てを消化できないこともあります。その場合、たとえば退職予定日を変更して全日程を消化できる様にするなど、よく話し合って円満に退職できるようにしたいものです。
退職時に消化可能な有休を買い取ることは「有休の買い上げの予約をし、これにもとづいて有休日数を減らしたり、与えないことは労働基準法第39条に違反する」との行政通達もあることから認められていませんが、法定付与日数を超える日数の買い取りや残日数に応じて調整的な給付を行うことができます。この場合の金額や給付の範囲については法律の定めはなく、就業規則や労使の合意によります。
退職時の有休の買い取りは例外的なものであり、完全消化を目指すべきものです。日頃から有給休暇が消化できるよう、職場の改善に取り組んでいきましょう

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