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医療研運営委員会

写真上から)第3分科会「この人を探せ」で自己紹介をしながらなごやかに対話していきました、夕食交流会ではみんなで輪になり歌いました、第5分科会では輸入レモンに使われている農薬の浮き出し実験を行いました
◆ 2011.01.26

第27回医療研究集会 分科会


第1分科会 「住民といっしょに運動する」

 第1分科会は、7県連と生駒市・蒲郡市の住民あわせて20名の参加がありました。今回の医療研のサブテーマが【つながろう、つなげよう】ということもあり、第1分科会では、『住民・地域・医療労働者・労働組合のつながり』にスポットをあて話し合いました。
 医療分野での住民運動は、医療労働者と住民・違う立場の住民と住民とが共通の目的のためにつながりあって行われています。また、住民運動のなかには、労働組合が住民どうしのつなげ役になっているケースも増えています。
 そこで、今回地域とつながり活動されている、長野県厚生連労働組合・広島県厚生連労働組合 府中支部・秋田県厚生連労働組合 鹿角支部から報告をしていただき分科会のベースにして話し合いました。
 また、愛知県「蒲郡市民病院を守る会」、奈良県「生駒の地域医療を育てる会」、秋田県「湖東病院を守る住民の会」の方にも参加をしていただき、貴重な意見や体験を聞くことができました。
 つながるためには、まずは自分の住む地域に出て、地域を知ることが大事、そして敵をつくらず、長期的に地域の人と関わっていくことで、お互いがつながり合うことができることなど、意見交換されました。参加された皆様お疲れ様でした。

第2分科会 「地域に出るしごと」

 「地域に出るしごと」を切り口に討論をすすめた第2分科会では、「秋田県厚生連」「長野県厚生連」の基本理念から厚生連の医療従事者が医療現場を守り、そして地域をよくするためには住民とともに進んで行くこと、地域を知ること、医療現場の状況を知らせることなどの必要性を学びました。
 また、「農民とともに」をスローガンに農村医療を実践された若月俊一先生の紹介があり、はじめてその偉業にふれた参加者は、地域医療の原点を学ぶきっかけになったことと思います。
 実践報告では、長厚労から3題、茨厚労から2題、理学療法士・医療福祉士・看護師・保健師として、予防・治療・福祉とさまざまな立場から、地域とつながるり住民をつなげる活動の報告があり、それぞれの分野がつながる意義や可能性を学び考えることができました。その他テーマディスカッションなどを通し、これから現場に戻って、こんな活動をしたい!という具体的なイメージにつながった参加者や、今までの自分のしごとが、地域に貢献していたことを確認できたことで自信となり、厚生連病院で働くことの意義も感じることができる分科会となりました。
 人と人が、顔をみてはなしをすることでのつながりをいっそう大切にしていきたいと思う2日間でした。

第3分科会 「働く者どうしのわかり合い」

 第3分科会は8県21名の参加でした。職種も環境も違うけれど同じ厚生連の病院で働く組合員が集まり、職場を離れて話し合う機会となりました。助言者の西淀川地域労組の矢野正之さんより「組合とは助け合い、団結してたたかう、そして為になる学習は楽しく」と貴重な実例報告などから学ぶことができました。
 討論では個々に抱えている問題点を挙げていき、まとまった「人間関係」「仕事・業務」「休み」3つのテーマについて関心のある者同士が集まり話し合いました。「たくさんの業務をかかえ疲弊していてもわかってもらえない。みんなと話をすることで整理でき、また解決策がもらえた」「楽しい職場なら辞める人も少なくなる」「わかり合える仲間が大事」など活発な意見がでました。学びとともに抱えている問題点が職種を超え共有の問題点であることにも気づき、改善策を一緒に考えられました。
 人の意見を聴き、話し合うことで一人一人が職種や職場を超え、意識して[働く仲間がつながる]ことの大切さを実感できる分科会となりました。

第4分科会 「病院を地域にひらく」

 今年の分科会で印象的だったのは、三重の近藤さんの「みなさんは、精神科で何か行事をやると言ったらまいりますか?」という投げかけでした。鈴鹿厚生病院では1月と12月を除いてすべての月に患者・住民に向けて行事をおこなっており、凧あげ、花フェスタ、盆踊り、病院祭、町中のゴミ拾いなどに挑戦しています。「毎年ここに来て、ヒントをもらって病院を地域に開放するために何か挑戦しています」とのこと。
 実践報告は①府中病院の“共同病院構想”(合併)に対する取り組み(広島)、②鹿教湯病院の地域医療懇談会活動(長野)、③土浦協同病院のきらら祭りと地域参加(茨城)、④下都賀病院の健康フェスタと住民集会(栃木)、⑤近隣に各戸訪問しての盆踊り大会(三重)などででした。
 「健診で10年も20年も来てもらっているのに、結果を説明するだけで、それ以上の関係がつくれない。それでよいのか…」「地域と共に発展する病院は、“患者さんや住民に育ててもらう職員”という視点が必要」「自分も楽しみながら患者・住民にも楽しんでもらう、それで士気があがり地域ともつながれる」などの意見が出ました。二日目の夜は寸劇「亀レース物語」の発表で、全員主人公の達成感に包まれました。

第5分科会 「いのちを育む食と環境」

 第5分科会では兵庫食健連事務局長の柳澤尚さんをお招きし、「港から見た食と農」と題して現在の深刻な食糧自給率の低下や輸入食材の農薬による汚染について講演していただきました。
 輸入されてくる食材はどのように生産されているのか、港での検査体制など実際に見ていた方からお聞きできたことはとても貴重で、改めて日本の農・畜・水産業を元気づけていこうと感じる講演でした。
 実践報告として、長野県佐久総合病院の病院再構築に向けた栄養科の取り組みや、地域とつながる活動のひとつである食と農の集いの様子が紹介されました。
 埼玉県厚生連からは、久喜総合病院の建設に伴う病院給食委託についての過程や各部署の対応、学習会を開催し職場の力を高めているといった報告がされました。
 神奈川県伊勢原協同病院の地元食材の病院給食への導入は、地域に密着した取り組みとしてパネル展示されました。
 2日間の分科会での報告・討論を通して、各病院内で栄養部門の場所や業務内容が知られていないという話題も多く聞かれ、まずは病院内で情報を発信しつながりを持とうという思いが寄せられました。食事は治療の一環というそれぞれの病院の取り組みを聞き、充実した討論が行われました。




     
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