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看護委員会

上から順に、①行動する決意を固めた全体会(閉会)、②講演する川嶋みどり先生、③オーストラリア医療研修・スライディングシートによる移送体験、④愛知安城更生病院の看護師募集パンフ、⑤福厚労の看護改善ポスタ
◆ 2011.10.14

全厚労第25回幹部・看護師集会in香川を開催


元気に楽しく働くために

 みんなで行動しよう!

 10月7~8日、全厚労第25回幹部・看護師集会が香川県琴平温泉で開かれ、全国から労組役員や看護職をはじめ253名が参加しました。この日は連休を控えて秋晴れにも恵まれて、「元気に楽しく働くために みんなで行動しよう」というテーマとともに「知って知らせて組織する」という看護闘争の合い言葉にふさわしい集会となりました。

動けば変わる情勢が広がる

 会場の琴平町公会堂は、県の有形文化財に指定された古い建物。ホールもモダンなダンスホールのような雰囲気で秋風の心地よい中で行われました。
 基調報告では、大震災で「医療・看護崩壊」からの脱却がより一層国民的な課題になったと指摘。この間の医療労働組合の取り組みや日本看護協会の労働環境改善に向けた動き、厚労省が作ったプロジェクトチームの報告と5局長連名の通知の中身など、動いてきて変わった中で、全厚労看護闘争の合い言葉である「知って知らせて組織する」、「元気に楽しく働くために みんなで行動しよう」との集会テーマに沿って、知恵や教訓をもらって、職場で広め行動することを呼びかけました。

機械重視の看護ではなく、

患者の「治癒力」を手助けする

看護=「手当(TE-ARTE)」

 記念講演をしていただいた川嶋みどり先生(日本赤十字看護大学、健和会臨床看護学研究所)からは、「今、あらためて 看護の原点」と題して、古来から存在していた「看護」の概念の歴史的なエピソードから始まり、自身のご家族の入院体験などを例に、現在IT化などで、患者と接しない看護が生まれていることに対して、根本から看護を問い直すような問題提起をされました。
 とりわけ保助看法で定義された看護の二大業務、①療養上の世話、②診療の補助について、医師不足などの問題から、診断・診療領域への安易な拡大がなされつつあることに警鐘をならされました。
 看護でも「エビデンス」が、重要視されているが、多くの看護業務が、数値化され結果を計りうるものではないこと、いまは診療報酬では丸められた「入院基本料」しか看護労働をはかる物差しがないが、もっと治癒に係る看護労働の評価をどう理解させていくのかが私の課題だと述べられました。
 患者の自然治癒力を高め、手助けするのが本来の看護だとして、「TE-ARTE(てあーて)」=手当学を世界に広める活動についても紹介されました。
 また日赤の中で、労働組合運動に携わってきた経験から、現場の看護労働者たちに強いエールも送っていただきました。

特別報告…意識を変える、労使で変える

①オーストラリアでのノーリフト研修
 最初に「オーストラリア医療視察」の報告をしてくれた山厚労の竹内さんは、「ノーリフト」研修ツアーで、看護・介護職の職業病と言われる腰痛予防のために、「持ち上げない看護」の実践風景や様々な器具や道具を使っての患者移送のやり方などを紹介してくれました。患者の体格や症状に合わせた器具・機械だけでなく、「ノーリフト」の概念=看護にあたる側が健康で働ける環境づくりの重要性を強調しました。

②愛知での看護師確保の取り組み
 二つ目は、愛知での看護師確保について看護委員の相川さんが報告。8病院ある愛知県厚生連で各事業所毎に独自パンフレットや中日新聞とのコラボ企画をすすめたり、看護師寮や保育所の確保、新人・同期だけの懇親の場を設定したりなどの会側の対策や、初任給調整手当や夜勤手当の加算などを継続させていること。夜勤業務に関する労使委員会を月1回開催し、夜勤点検委員会に会側も参加させて、看護現場の問題を共有していることなどが報告されました。

③笑顔で働き続けるために…福厚労の取り組み
 三つ目は、福厚労から「笑顔で働き続けるために…」として永井さんが報告。福島では、昨年の委員会・研修アンケートの結果を基に、春闘で「委員会の時間内開催」「研修会の任意参加原則」を勝ち取ったことや「満足度の高い勤務表作成」を目標として、「ゆとりある勤務表作成」を会へ申し入れ、ほぼスムーズに取り入れられたと発言されました。

知ったことを職場へ広め、みんなで行動へ

 2日目は、①働きやすい職場づくり、②夜勤交代制問題、③労働安全衛生活動の3つのテーマに分かれて、分科会を行いました。人数が多い①②では、年代別に分散し、その中でまた6~7名程度のグループになり、参加者みんなが発言できる形式で、職場の実態や経験を交流しました。
 5局長通知で、看護職の労働環境改善は、労使ですすめるべき重要課題とされています。この2011年秋闘で、「みんなで行動」し、一つずつでも改善させていきましょう。
 来年は静岡での開催が決定しました。また静岡で再会しましょう。




     
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