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医療研運営委員会

写真1)第1:住民立診療所の経験を語った今野さん(中央)、2)第2:報告に見入る参加者の皆さん、3)第3:出し物の練習を通して心一つに、4)恒例の寸劇を熱演、5)第5:第3との合同講演の様子
◆ 2012.12.12

第29回医療研究集会 分科会の報告


各分科会担当者から分科会の報告が寄せられましたのでご紹介します。

第1分科会 住民といっしょに運動する

 第1分科会の参加者は17名と助言者に群馬県大戸診療所・今野義雄さんが参加されました。若干少なめの参加でしたが、皆さんが自由に意見交換できる分科会になりました。
 今回は、『地域・病院が大事にしているもの(コンセプト)』にスポットをあて学びました。その中でレポート報告は5つあり、長厚労篠ノ井支部からは、栄養科の取り組みとして、地域の方に栄養科として協力できることについての報告がありました。
 茨厚労からは、業務委託に対するたたかいについて報告がありました。高萩給食の件で団結は高まり組合は大きく成長したとのことでした。
 長厚労佐久支部からは、佐久地域の医療関連労組の共同で進められている佐久地域医療懇話会の取り組みについて報告がありました。
 秋厚労湖東支部からは、「湖東病院を守る住民の会」の猛ダッシュの2年半に関して報告がありました。
 また、長野の高杉さんからは、国際協同組合年に関連したお話がありました。
 フリートークでは、何か問題が起きてから地域に出るのではなく、普段から地域に出ることが大事なことや組合全体で厚生連の長期ビジョンについて考えなければならないことなどが意見交換されました。
 参加された皆様お疲れ様でした。

 秋厚労 湯瀬 直樹

第2分科会 地域にでるしごと

 実践報告から「地域に出る仕事」と地域のつながりを学ぶ。仕事(運動)をとおして地域とつながる意義、意味を考える。分科会を通して地域とのつながりをもつ仕事をしたい、もちたいとなる。以上3点を目的として、21名の参加で議論を深めました。
 実践報告は、①長野県佐久穂町(旧八千穂村)の住民主体の健康づくりについて、②長野県厚生連安曇総合病院の精神科訪問看護について、③長野県厚生連佐久総合病院の地域医療連携について、④三重県厚生連鈴鹿厚生病院の精神障害者アウトリーチ推進事業の取り組みについての4本で、現状の地域に出る仕事、なぜ出なければならないのかを学びました。特に①については住民側からの意見として貴重な報告をいただき、参加者の皆さんの胸に落ちたようです。またグループワークとして「地域医療連携」、「地域での精神疾患に対する取り組み」、「地域保健」という3つのテーマに分かれ、それぞれの立場で、その必要性、地域住民、行政、他の医療機関との協同が必要であることを議論の中で確認しました。
 現在、厚生連の各病院が経営至上主義的になっている現状の中で、私たち労働組合が真の厚生連医療(協同組合医療)運動を展開していかなければならない、厚生連医療を取り戻す運動が必要であることを、それぞれの参加者が胸に刻み、一歩前に出る元気をもらった3日間でした。

 長厚労 油井 伸一郎

第3分科会 働く者どうしのわかり合い

 より広い視野に立ち、職種・職場・年齢などをこえて『わかり合いの場』をどうつくるのかを話し合うための分科会です。今回は7県19名の参加がありました。
 まず第5分科会と合同講演を開催し、原発事故による放射性物質汚染が私たちの健康へどのように影響しているかを学びました。その後、長厚労の山本さんより『働きやすい病院つくり委員会の取り組み』についての報告を伺いました。「子育て中の職員への支援は改善してきているが、家族の介護を抱えて職員の離職が進んでいることに対する対策が解決困難である」という報告があり、現在親を介護されている参加者を含め、多くの参加者が共感し体制づくりを望む声がでました。また自分の働く職場では交流の少ない職種の抱える問題について、職場の現状を『伝えよう、わかろう』と和んだ会話の中にも真剣さが伝わってきました。伺うことのなかった他職種の職場の現状に驚き、改めて病院は、医師・看護師だけではないことを実感しました。「17時に帰れば睨まれる」、「4人欠員が出ても補充がない栄養科…無理なら委託にすればいいという脅し」、「発熱が続いていても休みが言い出せず肺炎になり入院したスタッフ」などなど。
 第3分科会の助言者として『全国過労死を考える家族の会』中原のり子さんにも参加していただきました。過酷な労働で疲れ切ってしまわないように「現場の状況を伝え改善提案を出す、労働に対する知識を持つ、職場に帰って伝える」など各自が決意し、分科会が終わりました。

 三厚労 戸上 ゆかり

第4分科会 病院を地域にひらく

 第4分科会は8県から22人が参加し、3つの報告と討論、交流会での寸劇を行いました。
 「精神科病院を地域に開く取り組み―保育園児による認知症病棟への訪問―」(三重・鈴鹿)が新しい試みとして注目を浴びました。また鈴鹿では毎月のようにイベントを行い、地域から精神科への偏見を取り除こうと精力的に取り組んでいる実践にみんな元気をもらいました。
 「高萩協同病院の給食外部委託、とりで総合医療センターの院内保育委託阻止の運動」(茨城)は、有期雇用の広がりで給食や保育が外注業者に浸食されていく動きが強まる中で嘱託・パートを組織し、かつ正規職員の問題としても捉え返し、職域をこえての病院のあり方の問題として全体の関心にしていった原則的なたたかいが紹介されました。
 「下都賀総合病院の統廃合再編問題と住民の会」(栃木)は、病院そのものの切り捨てと闘わなければならない時代を予感させ、日頃から住民とのつながりを強化していくことの大切さを痛感させられました。
 寸劇「小林多喜二―その愛と死」の練習にも取り組みました。

神厚労 岡部 義秀

第5分科会 いのちを育む食と環境

 今回、第5分科会は原発問題に着眼した話し合いをしました。講師に安藤満先生をお迎えし、第3分科会と一緒に合同講演をしていただきました。普段、ニュースで聞いたり、新聞で読んだりすることはあっても、なかなか本当のことを知ることはできません。
 環境問題のことを専門に研究していられる安藤先生のお話は、放射能の基本の話、そして昨年の東日本大震災時に起こった東京電力福島第1原発事故のことなど大変ためになり、臨場感のある内容でした。その後、参加者と安藤先生とみんなで原発の必要性、代替のエネルギーのことを話しあいました。エネルギー効率のこと、必ずしも原発は効率が良い訳ではないこと、太陽光、風力発電も悪くないなど、今まで知らなかったこともたくさん知識として持つことができました。
 また10月に起きた茨城県厚生連の給食問題ついての報告がありました。病院給食の委託率52.8%に対し、厚生連病院では14.8%とかなり低い委託率です(日本医労連病院給食実態調査より)。JAの病院であるということが委託率を低くしていると考えます。そのような中で茨城県の給食委託化は関係者にとって大変ショックな事件です。次年度に向け、委託化阻止についてももっと積極的に話題にしていかなければならないと思いました。

第5分科会助言者 石井洋子




     
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