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看護委員会

あいさつする茂原委員長(上)、香川「正循環シフト」の特別報告(中上)、初心者分科会で討論(中下)、笑いの記念講演(下)
◆ 2013.10.10

より良い看護のために働きやすい職場をつくろう
第27回幹部・看護師集会in磯部温泉に200名参加


 10月4~5日、全厚労は第27回幹部・看護師集会を埼厚労の受け入れで、群馬県・磯部温泉「雀のお宿・磯部ガーデン」で開催しました。17県から200名が参加。看護職場の改善問題として夜勤交替制問題が大きくクローズアップされるなか、厚労省「5局長通知」や看護協会「ガイドライン」なども活かして、現場の取組みをすすめることを確認しました。

夜勤の有害性踏まえて対策を
 基調報告では、この間明らかになっている夜勤における健康リスク(短期・中期・長期)や安全リスク、生活リスクを改めて学ぶとともに、村上優子さんや高橋愛依さんのような「過労死」を二度と生まない看護現場を、と看護協会「ガイドライン」作成や厚労省の「5局長通知」発出の動きとなったことを説明。
 また「ガイドライン」の中でも1日の労働時間は8時間を基本にしていることや、深夜勤の0~4時頃に短時間でも仮眠を取ると「アンカースリープ効果」で、生体リズムを修正できること、メラトニン分泌による「発ガン抑制効果」が期待できることなどを紹介しました。
 具体的にはそれぞれの県・支部でもつ「夜勤協定」を改善させ、協定遵守のための点検活動を進めることやサービス残業根絶、委員会・研修等の負担軽減や休日の拡大など、「働きやすい職場づくり」をすすめていくことが提起されました。

3県の取り組みを特別報告

ねばりづよい運動で着実に 広島・吉田
 広厚労吉田支部の「看護職場改善の取組み」では、執行部で組合活動を学習していく中で、労働条件は春闘・秋闘だけでは解決できず1999年から毎月の「院内協議会」を開催することにしたこと、2005年には「いのちと健康を守る全国センター」から講師を呼んで、事務長・看護部長なども出席してもらって、「夜勤の有害性」を理解してもらい、外来当直の2交替勤務への変更、療養病床・老健施設での介護員の2交替から3交替への勤務変更などを行って「精神的に楽になった」「身体が楽になった」との声の一方で、「休みが休みでなくなる」などのデメリットも聞き、増員要求や有休取得を向上させてきたこと。また準・深=3・3体制でしたが、医療の高度化や高齢患者の増、認知症・せん妄などの対応で現場が回らないと交渉してきて、遂に吉田病院での準夜勤務4人体制の順次導入を確認したことが報告されました。

労組の団結があればできる 大分
 大厚労の「原則2交替制強行阻止の取組み」では、2011年頃から「2交替強行」の動きがあり、12春闘では「2交替は希望者のみとする」という労働協約を締結したにも関わらず、その夏頃に10月から「原則2交替とする」という動きがまた出てきました。労働組合全体で反撃し、看護職組合員の93%の署名や全厚労・西日本ブロックの応援も得ながら、団体交渉や看護師60人以上が参加した待機集会を重ねながら、13年4月から改めて「2交替は希望者のみ」として再協定させたことを報告しました。労働組合の団結があれば、どんな攻撃も跳ね返せるとの確信を得たとの述べられました。

身体が楽な「正循環」シフト 香川・屋島
 香厚労屋島支部の「正循環シフトを試行して」では、13年1月から9月まで、屋島病院に勤務する病棟看護師(5病棟)で、各病棟期間中に1~2回の「正循環」シフトを行い、途中の6月と終了後の10月にアンケート調査を取ることにした経験を報告。
 中間アンケートの結果では、実施状況が病棟によって月3回以上あるところもあれば0~1回のところもありましたが、正循環の良い点では、身体が楽、深夜勤務中や後の疲労が以前より少ないなどの意見があり、悪い点では、休みを消費して連休が少なくなる、準夜-休みは休んだ気がしないなどの意見がありました。継続しても良いは65・2%、希望が通れば良い13%と、合わせて8割弱で継続しても良いとの結果が出ました。圧縮勤務をなくし正循環へ持っていくためには、人員増が必要であり、看護の質を高めるためにも働きやすい職場づくりに取り組むと決意表明されました。

夜勤改善・働きやすい職場づくり・初心者に分かれてグループワーク
 全体会終了後は、1.夜勤改善・夜勤協定闘争、2.働きやすい職場づくり、3.新人・初心者コースに分かれて、それぞれ少人数でのグループワークを行いました。
 夜勤協定闘争の分科会では、夜勤が有害性であることを理解した上で夜勤協定闘争によって「夜勤制限」をしてきた歴史と協定を守らせる、改善させる取り組みの重要性を改めて学びました。
 働きやすい職場づくりの分科会では、働きがいの持てる賃金や、サービス残業の根絶、ゆとりある休日・休暇、上司との人間関係など、多方面の要求や課題について、話し合いました。
 新人コースでは、「組合活動のABC」を学びながら、KJ法を使って、「より良い看護ができる職場にするには」をテーマに、要求や希望、職場の問題点を出し合いながら、ポスターセッション形式で、意見をまとめました。

「愚痴」を要求にして闘おう
 2日目は、滋賀医科大学非常勤講師の田村祐樹先生の「メンタルケアと職場のコミュニケーションスキル~サイモントン療法から」と題した記念講演のあと、各分科会からの報告と集会まとめを行いました。
 白濱勉副委員長(看護担当四役)は、「皆さん方の大変な職場状況は『恥ずかしくて言えない』ことではなく、恥ずかしいのは、それを変えていかないこと。『愚痴』は『要求』のはじまり。愚痴を大事にして要求として、たたかいを進めていくことが大事だ」と訴えました。




     
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