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2日目全体会での分科会報告では会場からの大きな笑いも起きました(上)、第1分科会男性グループの様子(中上)、第2分科会から(中下)、各グループがまとめたポスターを提示しながら報告した分科会(下)
◆ 2015.10.30

笑顔で働き続けられる職場へ 一人ひとりが声を上げよう!
第29回幹部・看護師集会in別府


 全厚労は10月16~17日、大分県別府市・Bコンプラザにて、「第29回幹部・看護師集会」を開催。17県185名が参加して「笑顔で働き続けられる職場作り」を集会テーマに、一人ひとりが「知って知らせて組織する」人になろうと決意を固め合いました。

 記念講演の講師は、京都の赤十字病院で30年近く働き、労働組合の専従として「日本医労連看護闘争委員長」を務められてきた大村淑美さん。「あなたの看護 輝いていますか?」と題して、働くなかで培われた看護観や「笑顔で働き続けられる」ための方策についてお話頂きました。

自分の看護の「羅針盤」を持とう
 大村さんは、自身の看護実践の事例を紹介しながら、看護の専門性とは、患者のためのもので、ベッドサイドでこそ発揮される。高度の知識と技術を身につけることはもちろんだが、看護師としての「人間観・患者観・死生観・看護観」を身につけるには、人間として年を重ね、実践の中で、患者と接するところで、人間の弱さも甘さも良さも実感しながら、考え方も研磨されていくもの。つまり看護の「専門性」は、実践の積み重ねの中で成長し深まっていくもので、看護には「これで十分」という限界はない、だからこそおもしろい、と話されました。

患者の自己治癒力を高める看護を
 「看護婦はただひたすらに患者の幸せのうえに注ぐ目を持っていなければならない。看護婦は自分の働きに対する報いも、感謝も、それに気づいてくれることさえも、患者に望んではならない。看護婦のなし得る最上の働き、それはまさに、患者に看護の働きをほとんど気づかせないことであり、ただ患者が要求するものが『何もない』と気づくに至った時だけ、患者に看護婦の存在を気づかせることなのである」と記したナイチンゲールの言葉。
「『療養上の世話』とは、生活行動の援助。その基本は当然なことを普通にさりげなく行い整えること。一見、専門的な仕事には見えない。誰もできる仕事のようだが、そうすることで『安楽』が生まれる。『安楽』とは…(中略)…免疫力が高まっている状態。看護師の言葉かけ一つ、身体を拭くこと、食事の援助などで患者が楽になり、気持ち良くゆったりした気分になれば、その患者の『治る力』を高めることになる」と「て・あーて」を提唱される川島みどりさんの言葉を紹介し、患者に寄り添った看護こそ、看護の質を高めるものだと指摘されました。

疲れた身体とよどんだ心を癒やして
 看護師自身が「疲れた身体とよどんだ心の状態」では、良い看護は出来ません。2008年に確定した「村上優子さん過労死」の労災認定の判例なども示しながら、「大切なたたかいの成果を自分の職場に活かすこと」=「知って知らせて組織する」ことが大切だと訴えられました。「なったらいいな、でも無理」と思ってしまってあきらめては、その被害を受けるのは患者・国民であって、我慢したり無理したりせず、仲間とともにたたかっていくことを呼びかけられました。

国を動かす取り組みへ
 その後は、初心者向けの分科会と、年代別の分散会に分かれて交流と理解を深めました。
 最後に集会まとめに立った岩本一宏さん(看護担当四役・広厚労委員長)は、「看護現場の問題は、人員不足につきると。新しい言葉、『コンパッション=思いやり』という言葉が出てきました。労働者として思いやりを持って働くということと、『国を動かす』という言葉も出ましたが、私たち一人ひとりが、何ができるのかを考えよう。一つには夜勤制限署名があります。これをみんなで取り組もう」と訴えました。
 次回開催県の三厚労・畑中剛喜委員長が、「次の看護師集会だけでなく、全厚労の様々な集会でも、笑顔で会えることを期待します」と述べて、集会を終えました。




     
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