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(写真上)判決報告集会ギターと歌ごえで開会、(写真下)「勝訴」の垂れ幕を掲げる原告
◆ 2016.04.19

日本IBMロックアウト解雇無効!


労働者・労働組合の全面勝訴
 長年働いてきた労働者に対し解雇を突きつけ、即座に会社から締め出す「ロックアウト解雇」。3月28日、大手コンピュータ関連企業「日本IBM」によって行なわれたこの乱暴な解雇を違法無効とする判決が東京地裁で出されました。
 東京地裁は日本IBMに原告5名全員の地位確認・賃金の支払いを命じ、全面勝訴の判決でIBMのアメリカ流「解雇自由化」の流れを断罪しました。

働く尊厳を奪うロックアウト
「日本IBMロックアウト解雇事件」とは、米IBMの子会社であり多数の従業員を抱えている日本IBMが2012年7月以降、労働者50名あまりの解雇を行なったことにあります。
 この解雇の特徴は、労働者を突然呼び出し「業績が低い状態にあり、改善の見込みがない」という曖昧な理由で解雇を通告。同僚との挨拶をする間も与えず社外に追い出し(ロックアウト)、立ち入り禁止にするというものでした。まさに労働者から仕事を取り上げるだけでなく、人間の尊厳まで奪うような乱暴な解雇でした。

東京地裁判決、「解雇自由」の歯止めに
 以前にも日本IBMはコスト削減のため、執拗な退職勧奨で1300人もの労働者を退職させてきました。2012年に米国本社から派遣された外国人社長が就任し、業績は右肩上がりへと回復傾向にありましたが、社長就任直後からロックアウト解雇は連発されました。IBM本社のアメリカ流「解雇自由」に基づく、日本の解雇規制法理に対する挑戦でもありました。
 黒字・連続成長を遂げている日本IBM社が「業績不良」や「改善見込みがない」という事実は一切ありません。東京地裁は「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であるとは認められないから、権利濫用として無効というべきである」と判決を下し、「解雇自由」への歯止めをかけました。

解雇撤回までたたかいぬく
 3月28日夕方、全労連会館で行なわれた「判決報告決起集会」は歌ごえとギターで始まり、歌曲『I’ll Be』の「A4たった一枚で 取り上げられた仕事 私の生きてきた日々はそんな薄っぺらじゃない」という歌詞が集会参加者の胸を打ちました。
 JMITU(日本金属製造情報通信労働組合)日本IBM支部から全面勝利の判決報告がされ、弁護団からは「原告5名全員勝訴は当たり前のことであるが、内心ホッとしたのが事実。アメリカ本社以外にも韓国IBMなどで大量解雇は行なわれており、本件ロックアウト解雇は日本での解雇自由化の「毒見役」だった」と話されました。
 日本IBMロックアウト解雇争議はこの先、3次~5次判決と続きます。JMITUは原告全員の解雇撤回と復職を強く要求することを宣言し、判決報告決起集会は他産別労働組合の「ガンバロー」で閉会しました。




     
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