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農水省交渉の様子(一番左が折笠福厚労委員長)
◆ 2011.04.20

南相馬市医療機関が再開


矛盾の中で充分な治療できず・・・

 国は、原発事故の影響で住民が受ける累積の放射線量が高くなるのを避けるため福島第一原発から20キロ圏外の一部地域を新たに「計画的避難区域」に指定し、1カ月をかけて住民を区域外に避難させると発表しました。この指定を受け鹿島厚生病院のある南相馬市は、地域の中に「避難区域」「避難準備区域」「計画避難区域」「避難指示なし」という4つの区域が混じっているため住民は大きく混乱しています。そんな中、長期にわたる避難生活からのストレスや大気中の放射線量の安定などから自宅に戻ってくる住民が多くなりました。それに伴い地域医療を守るため診療を開始する医療機関が出てきています。鹿島厚生病院もその一つです。しかし、今後緊急避難の可能性があることから、入院に対して病床数や入院時間などの制限があり、充分な医療を提供出来ない状態が続いています。避難の命令は国が行なう一方で、その後の避難生活は個人や事業者に任されている実態です。避難者の生活も国が保障する制度が必要です。特に医療の早期完全再開は住民にとって重要です。地域住民の安心を取り戻すためにも私たちは行政などに働きかけていきます。

政府交渉 福厚労から13名の参加
 4月18日福厚労は全厚労役員と伴に厚生労働省、農林水産省に出向き予め提出しておいた要望事項に沿っての交渉を行いました。福島厚生連が置かれている状況をリアルに伝えようと福厚労からは役員を中心に13名が参加しました。
(その他、全厚労四役から4名が参加し、17名の要請団でした。全厚労本部注)

現行制度の枠組みでは、地域医療継続は出来ない事が明らか…
 厚生労働省では地域医療確保のために公的病院である厚生連病院にも自治体病院と同じように再建に対しての財政措置を取ること、原発事故に関わる医療機関の労働者の雇用を保障する制度を設けることなどを訴えました。双葉厚生病院が原発から3㌔の位置にあり再開までの見通しが全くたたない事、震災時も自ら被曝しながら患者を避難させ公的医療機関としての使命を果たしたことなど生の声で伝え対策を講じるよう訴えました。今の時点では原発事故に関しての医療機関への特別な措置はなく一般的なものだけです。先が見えない以上何らかの支援がなければ厚生連は地域医療を継続して行く上で厳しい状況に追い込まれます。これからも交渉を続けて行きたいと思います。

大変な状況は承知しているが、医療への支援は現行では困難…
 農林水産省では固定比率からの適用除外、再建に対しての財政支援措置、原発事故にともなう特例の措置を取ること等を訴えました。双葉厚生病院の状況について農水は一定把握していて、農協法に基づき緊急緩和措置が取られる可能性が大きいことが示されましたが、除外までには至りませんでした。農作物や漁業への保障だけでなく医療への保障も農水として考慮して欲しいと言う訴えには困難さを示し、他の省庁(厚労省、総務省、文科省)管轄の制度の活用を促されました。このことを踏まえ今後も国、あるいは必要に応じて行政に訴え少しでもいい方向に動かして行きたいと思います。




     
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