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写真上)出張診療に馬車が大活躍! 下)腰を落としての農作業は大変な重労働でした
◆ 2011.12.21

映画紹介~医(いや)す者として


 戦後間もなく、協同組合とはいえ戦時に農業会として農民の手から切り離され、直接出資から単協を経た間接出資へと変わり“おらほの(我が)病院”が感じにくくなっていたころに佐久総合病院に若月俊一医師が赴任した。

 炊事場の隣に家畜小屋があるなど衛生管理もままならず、隙間風の吹く家屋で満足な暖房器具もない中の過酷な重労働。病院に関わるのは重篤な症状に見舞われた後、医者が家に来る時は死亡診断書が必要な時…周辺の農山村へ「出張診療」の取り組みから、農村に生きる人々の息遣いを感じた。

 どんなに体が辛くても病院にかからない、農民の我慢を越えた苦悩を取り払うべく「全村健康管理」や健康に対する啓蒙活動の一環として「演劇」や「病院まつり」が取り組まれる。“地域医療を守る“ということはただ今ある医療提供体制を『維持』する事だけではなく、潜在的なものまで含めたニーズに応えられる体制を『創る』ことだと教えられた。

 今、佐久総合病院では「高度専門医療に特化した基幹病院」と「地域密着の医療を担う病院」の2つになる再構築を打ち出した。当初「切り捨てられる」と住民が不安に思い、地域を二分する問題となる中、病院職員が地域懇談に行きその専門性とみずからも地域住民として寄り添う姿に若月医師の意志が引き継がれている。

 『農民とともに』のスローガンとその想いが、若月医師が病院職員と共に取り続けた30数年にわたる16mmと当時を知る人々の証言と共に伝わってくる映画です。

上映スケジュール
  東京・ポレポレ東中野にて12月17日~1月中旬(1日2回上映)
   http://www.mmjp.or.jp/pole2/
  大阪・第7藝術劇場にて2012年公開開始
   http://www.nanagei.com/
 以降全国で劇場・自主上映会を計画中

  映画「医す者として」公式サイト
 http://iyasu-mono.com/schedule/




     
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