ストライキ・賃上げで、世界中で注目! 労働組合だからこそ出来る賃金・労働条件のアップ!

ストライキ・賃上げで、世界中で注目!
労働組合だからこそ出来る賃金・労働条件のアップ!

 物の値段が上がって大変、光熱費もうなぎ登り。このままじゃ生活できないし、節約にも限度がある。だから労働組合(以下、労組)の出番です。労組は、経営者と交渉する権利があり、独自に「賃金・労働条件」を改善することができるのです。

 労組って、このニュースを読まれている方の周りでは普通に存在するように感じている人もいるかも知れませんが、実はそんなに「当たり前」の存在だった訳ではありません。
 18世紀半ばの産業革命から工業技術が発達し、賃労働者(人に雇われて給料をもらって生活する人)が爆発的に増えました。「雇われ」のため、賃金も低く長時間労働で、不満を蓄積した労働者は「徒党」を組み「反乱」を起こしますが、政府や軍隊によって鎮圧されます。それでもめげずに立ち上がった労働者たちの長い闘いによって、労組が「合法化」されていくのです。
 昨年冬の「看護師ストライキ」で有名になったイギリスでは、18世紀から約1世紀をかけて、1871年(152年前)に労働組合法が制定されました。
 日本では、1886年に雨宮製糸女工ストが起き、1897年(126年前)に初の労組が結成されますが、その3年後に治安警察法で労組等の活動が制限。そして日本が戦争へと突き進む中で、労組自身が解散し「産業報国会」を作って、戦争協力の道を突き進んできました。
 日本の敗戦後、最初の労働組合法が出来ます。その後に成立した日本国憲法は「労働三権」として、労組の「団結権」「団体交渉権」「団体行動(ストライキ)権」を保障しました。憲法に基づいて整備された「労働基準法」「労働組合法」等の法律で、私たちの活動は、法的に保障され、「賃金・労働条件」を交渉し、独自に決定できるようになったのです。全厚労では加盟各県労組が定期的に使用者と団体交渉を行う他、全厚労として経営者要請や「請願権」に基づいて、政府や国会議員等へ陳情・懇談(写真左上)も行っています。

労組は労働者のパワーになる

 日本の労組は、主に3〜5月に「春闘(しゅんとう)」、10〜12月頃に「秋闘(しゅうとう・あきとう)」と呼ばれる団体交渉を行っています。もちろん、解決が必要な緊急課題や要求があったら、交渉はいつでもできます。
 労組要求に対して、交渉を受けないとか必要な経営資料を出さない、交渉参加者に威圧的な態度や不誠実な回答・言動を行うなどの対応は、「不当労働行為」として、法律で禁止されています。そして交渉の結果、合意した事柄については文書にまとめ、双方の代表者(権限者)が「署名又は記名・押印」したら、その内容が労使間の「労働協約(約束事)」(写真右)になり、法的に守られます。これができるのは、労組しかありません。労組に所属するということは、労働者一人ひとりがそれだけの力を持つことと同等なのです。

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厚生連?労働組合って?

 私たちの働く病院や施設は、「厚生連」と呼ばれています。正式には「○○県(道)厚生農業協同組合連合会」が運営する事業所で、「JA(農協)」グループの一員です。全国に病院が20県105施設あり、別に健診事業だけを行っている県もあります。全厚労は、18県の厚生連に働く医療・介護労働者が加入している各県連労組が集まった全国組織で、現在は医師を含めて約3万人の組合員が結集しています。
 全厚労は、他の公的・民間含めた医療労組と一緒に日本医労連(日本医療労働組合連合会)に加盟して、医療・介護労働者に関わる産業別労働運動にも結集しています。
 そしてまた日本医労連は、全労連(全国労働組合総連合)と呼ばれる様々な産業別労働組合と都道府県労連(地域別の労働組合の集まり)に加盟して、日本全体の労働運動を支えています。
 詳しいことを知りたくなったら、「全厚労ホームページ」を覗いてみて下さい。

 

ココが労働組合の魅力!

全厚労は全国組織であることを活かし、専門部を中心に様々な企画を行っています。

若い世代で交流

 20代から30代前半で活動している青年委員会は、2年に1回の「K’s station(青年集会)」を企画運営、アクトインサマー(日本医労連の青年集会)への参加など、ヨコの繋がりを大切にしています。「交流(遊ぶ)」も学びに繋がります。22年7月にはハイブリッドで「K’sin なごや」を開き、2日目に名古屋城見学なども行いました。24年7月には金沢で開催予定です。

看護師が集い学び

 職種別の専門部として看護委員会があります。「月6日以内夜勤」の実現や業務の負担軽減など看護師の「働き方改革」のために、日本看護協会との懇談や政府・厚生労働省との交渉も行っています。年に1度の大きな集会として、10月頃に「幹部・看護師集会」を開いています。22年10月には3年ぶりに秋田でハイブリッド集会を開催し、リアルにグループワークを行いました。

女性ならでは楽しみ

 女性委員会は女性ならではの悩みや、「生理」「出産・育児」等に関わる課題を扱っています。毎年6~7月を「母性保護月間」として、女性の権利の啓発や取得に取り組みながらも、おいしいスイーツを食べたり、温泉のある場所で集会を開いたりなど、日頃のストレスを発散、リフレッシュする「楽しみ」も重視しています。昨年は集まれず「オンライン学習会」でしたが、今年の6月は「福島・スパリゾートハワイアンズ」を会場に集会を準備中です。

仲間と一緒に変える

 平和委員会は、平和な日本と世界を作るために自分たちが出来ることを考えて行動しています。コロナ禍の期間、職場に「ピースフラッグ」をリレーしてアピールする行動やバーチャルツアーを実施、ヒロシマ・ナガサキ・フクシマを二度と起こさないことを決意する「原水爆禁止世界大会」への参加、3月1日には、ビキニ水爆実験被災経験を継承する「ビキニデー」(静岡・焼津)にも多くの仲間を送り出して、平和の世論を拡げています。

 この他にも、地域医療と地域住民の関わりを探求する医療研運営委員会や、全厚労ニュースの企画・取材等を行う教宣部も活動しています。